愛情の裏返し。 ページ17
「なぁA。」
「ん〜?」
「今日結構気になってたんだけどさ、なんか今日のコーデ微妙だな。」
「ええ!?」
何だとぅ!?Aさんに何てことを…!
「いやさ、センスは悪くねぇし目立って変なわけじゃない。けどお前の素材を活かしきれてない。ほら、ちょっとこっち来い。」
Aさんは御影に連れられて服屋に向かった。
「だってレオが好きそうなもの着たかったんだもん……」
「お前は黒より白の方が似合うんだよ。無理に萬田久子に張り合おうとすんな。」
「いっ!」
軽いデコピンを受けるA。
「それにさっきの服よりこっちの方がお前の骨格にあってる。さっきより断然良くなると思うぞ。ホラ、会計はこっちに任せてお前は着替えてこい。」
「はーい。」
数分後。
「着替えれたか?」
「うん。レオ、どう?」
「ああ、やっぱこっちのがいい。お前の素材フル活用出来てるじゃん。もうお前一生それ着てろバーカ。」
「!A一生これ着る!」
「一生は着るなバカ。冗談だよ。」
あれ…?なんか……
***
その後、Aさんと御影は映画を観に行っていた。
どうやら彼女は観たい恋愛映画があったらしい。
Aさんは目を輝かせながら映画を観ていて、そっと御影の手を取っていた。御影は映画を観ていたけど、その表情は何か満更でもない感じがした。
ゲームセンターで遊んでいた二人。プリクラを撮りに行ったり、Aさんが欲しがっていたぬいぐるみを御影が取ったり。
ショッピングモールを出て、近くの店に行くとき。
ふたりで歩くとき、御影はさり気なく、本当にさり気なく、車道側を歩いていた。
それによく考えればAさんの行きたいところ、やりたいことには色々言いつつも何だかんだ付き合っていた。
そして彼女の買い物の荷物を持っているのも彼であった。
Aさんと御影の間には、とても入れそうになかった。
Aさんが御影玲王を想う気持ちが誰よりも強いのは知っていた。
だからパッと見、彼女は御影玲王の押しかけ女房に見えるのかもしれない。
御影玲王はAさん以外の女子の前だと普通に優しい。けれどAさんの前だと冗談を行ったり、毒舌だったり、からかったりする。
それは御影なりの愛情の裏返しなのかもしれない。
何だかこの二人は、若々しいカップルというより、熟年夫婦みたいだ。
でもこの二人なら、困難が多くとも、ずっと上手くいく、長続きする運命の恋人同士のように思えた。
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桜花(プロフ) - ななしさん» コメントありがとうございます!!そうなんです!!彼女の目にはレオしか映ってないです!!これからも彼女はレオに対する恋を通して成長していくのでお楽しみに!続編も頑張ります!! (2023年1月28日 15時) (レス) @page41 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - うわぁぁぁ夢主ちゃんの純粋にレオだけ見てる感じ大好きです…傷ついた乙女はより強くなるって謎自論があるがあるので全然大丈夫です!(?)続編おめでとうございます〜! (2023年1月28日 14時) (レス) @page50 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 充希さん» コメントありがとうございます!!他の作品も読んでくださってるんですか〜!!嬉しいです!!コメント頂けるのが1番モチベーション上がるので嬉しいです!これからもがんばります♡ (2023年1月23日 20時) (レス) @page43 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
充希 - コメ失礼します!桜花さんの作品がどれも私のドタイプでめちゃめちゃ好きです!!!これからも更新頑張って下さい!!!! (2023年1月23日 20時) (レス) @page43 id: 199b614e0e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - かなさん» そのセリフッッッ!!めっちゃ拘ったんです!!そうです羨ましいんですっ!!こんなに嬉しいコメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2023年1月3日 10時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年11月19日 22時