お嬢様をよく見ている坊ちゃま。 ページ45
部員の皆様がバーベキューに夢中になっていた時のこと、私は手が離せなかったので気が付かなかったのですが……
「……?A、何処行った……?」
「坊ちゃま?」
「ばあや、A探してくる。もし見つけたら教えて。」
「かしこまりました。」
「凪、A見てねぇよな?」
「見てな〜い。」
「ん、サンキュ。ったく、何処行った……?」
ここから先は坊ちゃまから聞いたお話ですが……
坊ちゃまは海に飛び込む音を聴いて、そこに向かった様です。
***
「……?ワンちゃん……?」
Aは遠くの方でバシャバシャと水掻きをする何かを見た。目を凝らして見てみると、やっぱりそれは犬だった。
どこから迷い込んだのだろうか。犬が溺れていた。
Aはその犬を助けようと飛び込んだ。
泳ぎは得意だから、早く助けてあげるね。
そう思った時だった。
犬は海藻に絡まっていた。
何これ、全然取れない……!!
大丈夫、まだ息は保つ……!
Aは限られた息の中で一生懸命解いていく。
あ…!解けた…!
そう思った時、犬がバタバタと足を動かし、Aはバランスを崩し、足を岩に思いっきりぶつけてしまった。
痛っ……!!足切った……!?
取り敢えず上がらないと……!
嘘っ、上手く上がれない……!
ヤバッ……!!
「A!」
Aが溺れ、意識が薄れかけた時、玲王が飛び込み、Aをグイッと引き上げた。
水面から顔を出し、Aは必死に息を吸っていた。気は失っているが、息はある。
水泳得意な筈だろ……そう思ったがAは意識を失っていても、しっかりとその腕に犬を抱えていた。
犬を助けようとしてたのか。危なっかしいヤツ……。
てかどっから迷い込んだんだ?
犬は様子を見に来た管理人の犬だったことが判明し、最近脱走して落ち込んでいたのだそうだ。その管理人に犬を任せ、玲王はAを横抱きにして走った。
「坊ちゃま、Aお嬢様は……!」
「ああ。このまま俺が部屋に運んでくるからばあやは救急箱持ってきてくれ。」
「かしこまりました。」
***
「……?」
「お、目ぇ覚めたか。」
「レオ……?さっき助けてくれたのはレオ……?」
「ああ。お前、犬を助けようとしてたろ。足も怪我してたから処置済み。あんま無茶すんなよ。ああいうときは俺を呼べよ。」
「うん。助けてくれてありがとう。」
その後、坊ちゃまはお嬢様を気遣って、中で二人でアイスを食べていた姿を、ドアの隙間から見守ったものです。
恋愛フラグクラッシャー凪。→←ばあやとお嬢様のガールズトーク。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 669人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜花(プロフ) - ななしさん» コメントありがとうございます!!そうなんです!!彼女の目にはレオしか映ってないです!!これからも彼女はレオに対する恋を通して成長していくのでお楽しみに！続編も頑張ります!! (2023年1月28日 15時) (
レス) @page41 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - うわぁぁぁ夢主ちゃんの純粋にレオだけ見てる感じ大好きです…傷ついた乙女はより強くなるって謎自論があるがあるので全然大丈夫です！（？）続編おめでとうございます〜！ (2023年1月28日 14時) (レス) @page50 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 充希さん» コメントありがとうございます!!他の作品も読んでくださってるんですか〜!!嬉しいです!!コメント頂けるのが1番モチベーション上がるので嬉しいです!これからもがんばります♡ (2023年1月23日 20時) (レス) @page43 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
充希 - コメ失礼します！桜花さんの作品がどれも私のドタイプでめちゃめちゃ好きです！！！これからも更新頑張って下さい！！！！ (2023年1月23日 20時) (レス) @page43 id: 199b614e0e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - かなさん» そのセリフッッッ!!めっちゃ拘ったんです!!そうです羨ましいんですっ!!こんなに嬉しいコメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2023年1月3日 10時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜花 | 作成日時：2022年11月19日 22時
