ふたりに訪れた危機。 ページ31
「ったく、アイツどこ行った……?」
そう言って探しに行った玲王であったが、Aの場所が一向にわからない。
「知らない車……?客人か……?」
玲王が下に降りてきたときに裏の方に知らない車を見つけた。
「!!」
玲王が見かけたのは異様に周囲を警戒している怪しい男達、そして奴らに連れて行かれそうになっているA。
どうする……!?大人を呼んでいたんじゃ車を出される!!
そう思ったとき、背後から新たな男が現れ、玲王の意識はそこで途切れることとなる。
***
「間違いねぇ。御影コーポレーション御曹司、御影玲王に鈴木グループ御令嬢、鈴木Aだ。コイツらをもとに身代金を……」
反社会勢力の連中のアジトに連れて行かれてしまった二人は、為す術がなく、ふたりで身を寄せ合った。
「レオ、Aのせいでごめんなさい……」
「別にお前のせいじゃねぇ。」
「私達これからどうなるの……?お家帰りたい……」
「俺だって帰りたい。けど今これじゃ……」
「うわあああん……!!」
「なっ、泣くなよ……!」
「おいガキ!静かにしろや!!」
「A、大丈夫だ、きっと大丈夫だから……」
「レオ……」
お前のことは、俺が守ってやるよ。絶対、生きて逃げる方法がある。
玲王の手は震えていて、Aにそれは伝わっていた。
Aちゃんのせいでこうなったんだから、レオは絶対レオのママたちのところへ帰さなきゃ。
じゃなきゃ、レオのお嫁さんになれないもん。
玲王はアジトの中を見渡して、細い配管が伸びている先に、窓を見つけた。
今、彼らは自分たちをこれからどうするか話し合うのに夢中で、自分たちのことを見てすらいない。
「A、あそこの配管伝ってあそこの窓まで行けるか?窓は窪みに入ってるから足をつける場所もある。外がどうなってるかは分からないけど……下にいるよりはマシだ。」
「やってみるよ。」
そう言って、玲王はAを先に行かせた。
音を立てないよう、一生懸命登り始め、登り切ってみせた。
「レオ、早く……!」
小声で名前を呼び、そのままレオが登ろうとした時だった。
「あっ……!ボス!ガキが!!」
そう言って玲王達の方を向き、気づかれてしまった。
「レオ!」
どうする!?
自分たちに大人はどんどん向かってくる。
「A!?」
Aが上から飛び降りてきた。足の痛みに顔を歪めて。
「バカ!お前何やって!」
「レオはAのお婿さんなんだから…!Aが守る!」
最強のじいやとばあや。→←ふたりを襲った最悪のクリスマスの思い出。
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桜花(プロフ) - ななしさん» コメントありがとうございます!!そうなんです!!彼女の目にはレオしか映ってないです!!これからも彼女はレオに対する恋を通して成長していくのでお楽しみに!続編も頑張ります!! (2023年1月28日 15時) (レス) @page41 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - うわぁぁぁ夢主ちゃんの純粋にレオだけ見てる感じ大好きです…傷ついた乙女はより強くなるって謎自論があるがあるので全然大丈夫です!(?)続編おめでとうございます〜! (2023年1月28日 14時) (レス) @page50 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 充希さん» コメントありがとうございます!!他の作品も読んでくださってるんですか〜!!嬉しいです!!コメント頂けるのが1番モチベーション上がるので嬉しいです!これからもがんばります♡ (2023年1月23日 20時) (レス) @page43 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
充希 - コメ失礼します!桜花さんの作品がどれも私のドタイプでめちゃめちゃ好きです!!!これからも更新頑張って下さい!!!! (2023年1月23日 20時) (レス) @page43 id: 199b614e0e (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - かなさん» そのセリフッッッ!!めっちゃ拘ったんです!!そうです羨ましいんですっ!!こんなに嬉しいコメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2023年1月3日 10時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年11月19日 22時