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あなたという人。 ページ29
手紙を読み終えて、顔を片手で覆った。
涙を堪えきれなかった。
後悔しないでと言われても、後悔しか残ってませんよ。
まさか書き換えられた未来にあなたが居ないなんて、思わないじゃないですか。
あなたとの別れは記憶の中でしかなかった。
だから、あなたに別れの言葉をかけることさえ、叶わなかった。
Aさんじゃない素敵な人は一生かけても見つけられないでしょうね。僕はあなた以上に素敵な人に会ったことは今の一度だってない。
あなたは酷い人ですよ。
いつか貰いに行くって言ったじゃないですか。
あなたは笑ってありがとうって言っていた。
冗談っぽかったけど、いつかそれを現実にしてやろうって思っていました。
本当に酷い人ですよ、あなたは。
僕を先に置いていくなんて。
人の幸せばかりを願って、まっすぐで、自分を大切にすることを知らない人だった。
ずるくて、素敵で、とても美しい人だった。
これからも忘れられない、好きな人。
瞼を閉じれば思い出す。
目に焼き付いたあなたの姿が。
褪せることなく、いつまでも輝く、あなたの笑顔が。
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年10月20日 21時