偽りの箱庭【灰谷竜胆】2 (ページ17)

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第六十三話ページ17

「あ、お帰り竜ちゃん!」

「うおっ!いきなり飛びつくと危ねぇよ。」

「竜ちゃんが帰ってくるのが楽しみで!」

「っ！そういうカワイイことサラッと言うなよ。」

「えへへ。」

あれから、私と竜ちゃんは結婚したんだよ。

竜ちゃんがね、私を世界でいちばん幸せな花嫁さんにしてくれたの。

蘭ちゃんがね、ずっとこの時を待ってたんだって。

結婚した日から、私は名実ともに蘭ちゃんの妹になった。

竜胆、A、良かったな。って。

***

"A、ダイジョウブか?"

"うん……ぐすっ…"

"仕方ねぇな。俺、Aとケッコンしてやるよ。"

"ほんと？"

"ああ。やくそく。"

俺はずっと、Aのコト好きだった。
あの約束を、やっと叶えることが出来たんだよな、俺。

幼い頃に、気持ちよくて、草むらで寝てたことがあった。

それで、夕方にAが俺のもとにやってきた。

"竜ちゃん〜?どこ〜?"

ぼんやりと声が聴こえてきて、そっと目を開けたら、Aが俺の顔を覗き込んで、俺を見て優しく笑ってくれたんだ。

あの瞬間から、俺はAに恋をした。