第四十九訓 ページ50
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あのキスで気付かされた。
もうどうしようもなく惹かれてるって……
誰かを好きになるなんてイマイチぴんとこないけど、気がつけば繰り返し繰り返し思い出してる。
恋愛とか彼氏とか
私にはまだまだ遠い世界の話であって
誰かを想って苦しくて
眠れない日が来るなんて知らなかった。
いつの間にかあった自分の中の知らない感情に、自分が1番驚いているに違いない。
こんなの知らない方がよかった……
知らないままでいたかった……
だから決めたの。
この気持ちは自分の中に閉まっておく。
バレたが最後、もう沖田さんの隣には居られなくなるから。
真選組は女人禁制。
異例の私が隊内恋愛なんて以ての外。
仇討ちを終えた私が真選組に残る理由はもうない。
普通の女として生きる道もあるのかもしれない。
だけど私はここに居たい。
たとえ女としてではなくてもあの人の隣に。
そしていつか、あの人の熱を感じれる場所で死ぬ事が出来たなら、それはもう本望だと思う。
好きな人を守って死ねる。
それ以上の事はない。
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作者名:百瀬 | 作成日時:2020年7月11日 0時