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第四十八訓 ページ49
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植木の影で膝を抱えるA。
「こんな所に居やがった」
降ってきた声は今一番会いたくなかった人……
植木を掻き分けてAの隣に腰をおろす。
何を言う訳でもなくただ隣にいる沖田さんに何か話題をと思えば
「沖田さんて、モテるんですね」
そんな言葉が口から出た。
「妬いてんのか？」と余裕の笑みを浮かべる彼。
そうかもしれない……
そう思いつつも認めてしまうのが悔しくて「違います」と返す。
「でも……」
言いかけて、言いにくそうに目を伏せるA。
「沖田さんが私以外に触れるのは……
なんか嫌です」
それを聞いた沖田は照れたみたいに、少しだけ嬉しそうに口元を手の甲で隠す。
やべーや、んな顔されたら……
「なんてェ面してるんでィ」
ふと振り向けば唇に柔らかい感触。
……え？
何が起きたのかわからないまま
「嫌なら拒め」
沖田さんはもう一度唇を重ねた。
「 〜ッ！ 」
唇を唇でこじ開け、探し当てた舌を舌で絡める。
何度も何度も角度を変え、酸素を、思考を奪っていく。
息ができなくて苦しくて頭の奥がじんと痺れてもう何が何だかわからない。
こんなの……
拒めるわけない。
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作者名：百瀬 | 作成日時：2020年7月11日 0時
