第三十五訓 ページ36
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「よしわかった!とりあえずお前は110番してここで待っとけ」
「銀さんは……?」
「俺ァお前の友達探してみるわ」
心配そうなAを安心させるかのように笑う銀時。
「わかった。私が囮になるから銀さんは屯所までひとっ走りお願いします」
「何を聞いてたの?
女のお前にそんな危ない真似「だからですよ。
女の方が奴らも油断すると思うし運が良ければ椿にも会える。それに私、そんなに弱くないよ」
Aは銀時を安心させるかのように笑った。
「……ったく、無茶はすんなよ」
Aはコクリと頷く。
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椿は縄で拘束され、ある一室に閉じ込められていた。
なんだか外が騒がしい……
すると扉が開き「ここで大人しくしてやがれ!」その声と共に誰かが部屋へと投げ入れられる。
「……A?」
「あ、椿」
「……バカッ!あんたこんな所で何やって!」
「助けに来たよ」
「助けにって……捕まってちゃ意味ないじゃない」
「大丈夫」
Aはそう言ってするりと縛られていたはずの縄を解くと椿の縄も解き始める。
「会ったばかりのあたしをどうして助けてくれるの……?」
「理由がないと助けちゃいけないの?」
Aの答えに椿は思わずクスりと笑った。
「変な子……」
あたしを助けたところで、あんたの特になる事なんて何もないのに……
「あたし、実は奴らの仲間なんだ……」
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作者名:百瀬 | 作成日時:2020年7月11日 0時