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第十七訓 ページ18

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ガシャアアアアアアアアン!!!!!



その何かが割れる音を聞いてAはすぐさまお妙さんがいるであろう台所へ向かった。



悲鳴が聞こえた部屋でAが見た光景は想像をはるかに超えるもので……



「お妙さアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアん!!!」

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!誰か助けてエエエエ!!!」



なんと襲われていたのは近藤さん。

お妙さんは容赦なく近藤局長を殴る蹴る。



「局長オオオオ!!?」



ボッコボコに殴られ、もう誰だかわからなくなりつつある近藤に駆け寄る。



「お妙さんとのラブラブな時間を邪魔しに来たんだろうが、そうは問屋が卸さない!」

「ラブラブも何もあんたボロボロぉお!!」

「お妙さあぁぁぁぁん!!!俺と結婚してくれぇぇえええ!!!」



両手を大きく広げ抱きつこうとする近藤にお妙の見事な蹴りが決まる。



「毎日毎日本当にしつこいのよこのゴリラ」



そう言って笑顔で近藤を殴るお妙。

誠の鬼は仏の顔をしているのだ……



「しっかりしてください局長ッ!真選組の頭がストーカーなんて洒落になりませんよ!?」

「人は皆、愛を求め追い続けるストーカーさ」

「やめてえぇぇ!!もうやめてえぇぇ!?恥ずかしい!私がなんだか恥ずかしいッ!!」



爽やかな笑顔でグッと親指を立てる近藤に対し、掌で顔を覆い身悶えるA。



「あら、体はもう大丈夫なの?」

「は、はい……おかげさまで」

「それはよかったわ」



こんなにも優しく笑う人があんなゴリラのような拳を振るうだなんて……

人は見かけによらないとはまさにこの事だ。



「いったいいつになったらいい返事がもらえるんだお妙さん!」

「嫌だわ、このゴリラ威嚇してくるわ
保健所に連絡して射殺してもらわなくちゃ」

「お妙さんんん!?それどこまで本音!?」

「人間様に生意気な」



ニコニコとお妙の笑顔が崩れる事はなく、ぐっと拳を握り締めた彼女を見て流石に近藤の命の危機を感じたAは



「帰りましょう近藤さんッ!!」

「嫌だあああああああああぁぁぁ!!!お妙さああああああああぁぁぁあん!!!」



嫌がる近藤をひきずって帰った。






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作者名:百瀬 | 作成日時:2020年7月11日 0時

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