[最終兵器俺達]騒音注意[男主]

2話目 ページ3

50分後、午後5時20分
スーツに着替え、髪をセットし、アクセサリーもバッチリつけて、準備完了！
『よしできた！今は何時…って、うわっ！』
もう出ようと思っていた時間を20分も過ぎてる!!やばい、職場まで40分はかかるのに…
『あぁー、僕のバカ〜』
少し涙目になりながら、家を飛び出す。でも、鍵をかけるのは忘れません。昔それで酷い目にあってるからね
[ガチャ、ガタガタ]
『…これで大丈夫、急がないと』
きちんと閉まっていることをドアノブを引いて確認する。僕が再び走り出したその時
『痛っ』
「えっ、何？」
さっき叫び声が聞こえた隣の部屋が丁度開き、盛大にぶつかってしまった。額からぶつかったから、たんこぶできてないかな？尻もちもついたから、お尻も痛いし…
僕がおでこを触っているとドアの向こうから、誰かが顔を出した
「あ、大丈夫ですか？ドアにぶつかっちゃった？」
うわぁ、可愛い声の人だな、男性だけど
可愛い声の人が心配そうに僕のことを見ながら、ドアを閉める
「あーっと、立てますか？」
『え、あ、だ、大丈夫です』
一瞬躊躇った様子を見せ、その人は僕に手を差し伸べてくれる。僕はその手を遠慮がちに握って、引き上げてもらった。躊躇ったのは僕が水商売してるって、分かったからかな？まあ、こんな時間にこの見た目なら流石にわかるか
『あの、ありがとうございました。僕、急いでるので失礼します』
立ち上がってすぐに手を離す。早口にお礼を言って、走り出す。ホストってだけで嫌がる人もいるもんね。変な目で見られることには慣れてるから大丈夫だけど、やっぱり傷つくなぁ…
そんなことを考えてると、目の前でエレベーターが下に降りてった
『うわああぁ、急いでるのにー』

Aが走り去った後
[チャラ]
「ん？何か落ちてる？」
足元に違和感を覚え、下を見てみると綺麗なネックレスが落ちていた。多分、さっきのホストさんが落とした物だろう。ネックレスを拾って、じーっと眺める。改めて見ても、綺麗なネックレスだ。シンプルなデザインだけど、それがカッコいい。ひとしきり眺めた後、部屋に戻る
「ヒラ？コンビニ行くんじゃなかったの？」
部屋の奥から部屋の主であるフジが話しかけてきた
「あ、忘れてた。ねえ、フジ。今日泊まっていいよね？」
「別にいいけど？」
「ありがとう、フジ」
ネックレスをホストさんに返さないといけないし、何となくだけど、もう一度会ってみたいんだよね
ホストさんのことを考え、ヒラは口元に笑みを浮かべた

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