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『好きな人がいるの。だからごめんなさい』
岩��くんに最初に告白されたのは数か月前、
彼が入学してすぐの4月のこと。
4月始まってすぐの部活の勧誘期間に、
華道部のブースで留守番しているところを見て、
信じられないことに一目惚れしたらしいけど、
その彼の1回目の告白の時から、
わたしはそうはっきり告げて断っている。
「華道部入って距離縮めたら行ける！？」って、
わたしは友達代理なだけで華道部じゃないし、
「その人どんな人！？似せたら...」って、
そんな簡単に似せられるような人じゃない。
わたしだって、生半可に好きなんじゃないし。
というのは相手が相手なだけに言えたことはない。
...のだけれども。
「今日もまた派手に告白されてんな、お前」
『...見てたんですか、』
「昼休みの中庭だぞ？普通に通りがかるでしょ」
『...毎回お断りしてます』
「知ってる。お前も本当折れないのな」
...折れない理由は、あなたにあるんです。先生。
そんなわたしの気持ちもつゆ知らず、
隣の席にふらっと座ってはぼんやり絵を眺めて、
嫌味みたいに岩��くんの話題を振ってくる。
『その話題やめません？』って言ったら、
「いや、お前みたいな真面目な奴がこの話題だぞ？
真面目だからこそいじりがいがある」って、
そんなドSみたいなことを抜かしていいんですか。
『...松村先生うざい』
「先生に向かって何て口聞くの。慎みなさい」
そんなこと言うなら、その話題振らないでよ。
先生のせいで、言いたくもない可愛くないこと、
つい口走っちゃうんじゃんか。
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作者名：りり | 作成日時：2019年9月1日 20時
