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「...初めて見たとき、ほんとその瞬間、
「あー、俺この人好きになるんだ」って。
自分で思うくらい、綺麗に一目惚れだったの」
美勇人に連れられて行った、モロのバイト先。
1年前の夏、宮近も働いてるって聞いてたその店で、
「うちの冴えない看板娘なのこいつ!」
なんてモロに茶化されながら、
彼女は苦笑いでランチを出してくれて。
印象深い瞳と、纏う雰囲気がすごく好きで、
その場の勢いで連絡先を聞いた。
「ご飯行くようになってちょっと経った頃、
...初めて『好きな人がいる』って聞いて。
『その人にも好きな人がいるんだけど』って」
名前は教えてくれなかった。
だけど、俺が彼女を好きなのに気付いて、
牽制するかのように彼女は言った。
だけど「そうなんだ、わかった!」...なんて、
どう頑張っても引き下がれなくて。
それくらい、もう俺は彼女に恋をしていた。
「「遠慮しないでほしい」って言ったんだ。
「友達としてこれからも仲良くして」って」
うわべだけの、そんな綺麗事。
彼女をそんな言葉で半強制的に振り回して。
付き合わせてる、って感じても、やめられなくて。
全部、彼女が初めてだった。
好きになってくれないって分かってても、
それでも賭けたい、なんて。
好きな人に向ける顔じゃないって分かってても、
俺にだけ笑っててほしい、なんて。
「...ほんとバカみたいに、
どうしてもAちゃんがよかった」
本当に、大好きだったから。
だから、叶わなかったことは、悲しいけど。
でも、後悔はしてないんだ。
「Aちゃんを好きになったから気付いた。
...俺の"I love you."は、"どうしても君がいい"」
全部話し終えると、梨々香は泣いていて。
「素敵な恋だったんだね」って、
...ああ、叶わなくてもそんな風に思っていいんだ。
そう思うだけで、何だかすごく安心した。
いつか、他の人に言える日が来るのかな。
まだ、今は思えないけど。
でも、この気持ちが本物だったこと、
きっと笑える日が来るはずだから。
...ねえ、梨々香。
そんな日が来るまで、ちょっとだけでいいから。
こんな風にまた、甘えさせてくれる?
そして...俺にいつか、
「どうしても梨々香がいい!」って言わせてね。
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りり(プロフ) - 鎖蘭さん» 優斗くんは書くのが初めてだったので大丈夫かな?って思ってたのですが、担当の方にそう言ってもらえるとすごく嬉しいです、安心します(;_;)!トリッキーなんてかっこいいわけではないですが、鎖蘭さんの推測の通りです!(笑)気づいて下さりありがとうございます! (2017年11月1日 16時) (レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鎖蘭さん» コメントありがとうございます!前も頂いてましたよね?最後まで読んでいただけて嬉しいです。完結できずずるずる秋になってしまっただけなのですが、そう言って頂けると光栄です、、、! (2017年11月1日 16時) (レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
鎖蘭(プロフ) - あと、ラストに自担ゆうぴさん出てきて、一人青春してるのが本当にゆうぴさんらしくて、物凄く沸いたんですが、最後のセリフに長妻と何者が入ってるこれは…。りりさんがトリッキーな方だととらえていいですか、、?笑 (2017年10月31日 16時) (レス) id: a9fe46912a (このIDを非表示/違反報告)
鎖蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!初めの頃から読ませていただいてました^^季節はすっかり秋なのに、夏恋を読むとどうも夏の淡い恋が目に浮かんで、りりさんの世界観に引き込まれてました…! (2017年10月31日 16時) (レス) id: a9fe46912a (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーたんさん» コメントありがとうございます!全部読んで頂けて光栄です、瑞稀くん優斗くんはずっと出したかったんですがタイミングが掴めず最後に(笑)こちらこそ素敵なお言葉嬉しいです(^O^)ぜひ次回作もよろしくお願いします! (2017年10月27日 16時) (レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2017年9月28日 1時