7．七五三掛龍也の場合。 ページ31
＊
「あ、大我、これも買っていい？」
「「買っていい？」っていうか、
お前らも一緒にお金払うんでしょ？
勝手に入れなよ欲しいの」
「え、じゃあこれも食べる！」
「ちょっと待って、梨々香それ高いじゃん。
こっちにしようよ」
「やだ、生ハムは絶対高い方が美味しいもん」
「じゃあもういっそのこと、生ハムそっちの
もっとでかい高いの買お？あとチーズ」
「あー、じゃあクラッカーも！」
「待って刺身買い忘れた、俺鮮魚コーナー戻る」
「え、しめちゃんいかそうめんも持ってきて！」
「...てか待って、そもそも何で梨々香いんの？
お前、失恋したわけじゃないじゃん」
俺の質問には答えず、
梨々香は「うふふ」って楽しそうに笑って。
「梨々香もいつもしめに失恋してんだもんね？」
...って、大我まで何だそれ。
買い物かごに欲しいだけ全部のお酒と食べ物、
目一杯に詰め込んで。
3人揃って大学の1番近くのスーパーを出ると、
うろこ雲に埋め尽くされた空は
綺麗なオレンジ色に染まっていた。
...ああ、夏が終わったんだなあ。
彼女に全力で恋してた、そんな季節が。
「...綺麗だね、空」
「ほんとだねー、秋って感じだね」
「失恋した心に刺さりますわ」
「うわ、きょもちゃん珍しく自虐的じゃん。
なんかキャラじゃない」
「「キャラじゃない」って何？
俺だって自虐的になることだってありますよ！」
「じゃあ今日はぱーっと飲んで、
自虐ネタ連発でお願いしますね！」
「はあ？それは嫌です！」
俺と大我はこの夏、揃って大きな失恋をした。
本当に落ち込んだし、...正直泣いたけど、
お互いに少し気持ちの整理がついて、
「飲んでちょっと思い出でも語る？」
なんて調子乗ったことを言えるまでにはなって。
話に乗っかってきた梨々香を入れて、
本当に"失恋飲み"をやろう、と集まったのが今日。
隣に梨々香、その隣に大我。
俺と大我で半分ずつ買い物袋を下げながら、
大我の下宿先までの道をゆっくり進む。
でも正直、失恋しても、
そんな簡単に忘れられるほどの恋じゃなかった。
こんな日が来てもそう思うし、
そんな自分にちょっと呆れていたりもする。
...そして何より、
そんな女々しくて諦めの悪い俺のことを
ずっと「好き！」と言い続ける、
そんな梨々香はだいぶ物好きなんだと思う。
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りり(プロフ) - 鎖蘭さん» 優斗くんは書くのが初めてだったので大丈夫かな？って思ってたのですが、担当の方にそう言ってもらえるとすごく嬉しいです、安心します（；＿；）！トリッキーなんてかっこいいわけではないですが、鎖蘭さんの推測の通りです！(笑)気づいて下さりありがとうございます！ (2017年11月1日 16時) (
レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鎖蘭さん» コメントありがとうございます！前も頂いてましたよね？最後まで読んでいただけて嬉しいです。完結できずずるずる秋になってしまっただけなのですが、そう言って頂けると光栄です、、、！ (2017年11月1日 16時) (レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
鎖蘭(プロフ) - あと、ラストに自担ゆうぴさん出てきて、一人青春してるのが本当にゆうぴさんらしくて、物凄く沸いたんですが、最後のセリフに長妻と何者が入ってるこれは…。りりさんがトリッキーな方だととらえていいですか、、？笑 (2017年10月31日 16時) (レス) id: a9fe46912a (このIDを非表示/違反報告)
鎖蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます！初めの頃から読ませていただいてました^^季節はすっかり秋なのに、夏恋を読むとどうも夏の淡い恋が目に浮かんで、りりさんの世界観に引き込まれてました…！ (2017年10月31日 16時) (レス) id: a9fe46912a (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーたんさん» コメントありがとうございます！全部読んで頂けて光栄です、瑞稀くん優斗くんはずっと出したかったんですがタイミングが掴めず最後に(笑)こちらこそ素敵なお言葉嬉しいです（＾Ｏ＾）ぜひ次回作もよろしくお願いします！ (2017年10月27日 16時) (レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2017年9月28日 1時
