＊ ページ20
＊
「き、し...？」
「ミナミちゃん...？起きたの、」
「...ごめん、わたし何やった...？」
...何てタイミングで起きてしまうんだ。
呆然と携帯を握る俺にミナミちゃんは首を傾げて、
城ちゃんと安井くんの言葉が頭をぐるぐるして、
あーもう訳わかんねえ！
とりあえず慌てて冷蔵庫から水を持ってくると、
ちょっと弱った顔で受け取ってくれた。
「風磨くんが飲ませすぎちゃって。
終電ないし、状況的にみんな無理そうだったから、
俺が持ち帰ってきちゃいましたごめんなさい！」
「あ、いや、むしろごめん岸、迷惑かけて」
「あれだからね、何もしてないからね！？」
「...分かってる、岸ってそういうのじゃないもん。
むしろそうだったら楽なんだけど...」
「へ？何の話？」
「...ごめんわたし多分まだ酔ってる、忘れて」
飲み会中の威勢はどこへやら、
珍しく大人しいミナミちゃんに返す言葉もなく。
居場所に困って、とりあえず彼女に背を向けて
ソファーベッドの下に座って。
何を話そうか考えてると、消えそうな声で一言。
「ねえ、岸。岸は、好きな人とかいる？」
...それ、は、どう答えたら。
それこそ返答に困ると、さらに一言。
「もし、いないなら...わたしと、付き合わない？」
「へっ！？」
びっくりして、思いっきり振り向く。
と、ぎゅっとしたクッションの間から覗く目が、
じっと俺を見つめてて。
「言っとくけど本気、」って、
何でそんな泣きそうな声で言うの。
「わたし岸のこと好きだよ」
「...え、」
「もうちょい隠したかったけど、
岸鈍感だから気付かないし、わざと岸の前で
好きな人の話しても意識さえしてくれないし、
もうこんなチャンス逃したら多分もう言えないし」
「ミナミちゃん、」
「だから、もし、岸が他に好きな人いなかったら、
好きな人できるまででいいから付き合って」
予想外の展開に、頭がついていかねえ！！
...けど、ほっぺた引っ張ってみたら痛いから、
この告白は多分現実、のはず。
だから、きっとここで正直になったら、
ミナミちゃんとの一歩が始まるんだ。
ミナミちゃんの方を向いて、手を差し出して一言。
安井くんも言ってたじゃん、素直になれ、俺！
「俺も、ミナミちゃんのこといいなって思ってた！
俺でよければお願いします！」
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りり(プロフ) - 鎖蘭さん» 優斗くんは書くのが初めてだったので大丈夫かな？って思ってたのですが、担当の方にそう言ってもらえるとすごく嬉しいです、安心します（；＿；）！トリッキーなんてかっこいいわけではないですが、鎖蘭さんの推測の通りです！(笑)気づいて下さりありがとうございます！ (2017年11月1日 16時) (
レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 鎖蘭さん» コメントありがとうございます！前も頂いてましたよね？最後まで読んでいただけて嬉しいです。完結できずずるずる秋になってしまっただけなのですが、そう言って頂けると光栄です、、、！ (2017年11月1日 16時) (レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
鎖蘭(プロフ) - あと、ラストに自担ゆうぴさん出てきて、一人青春してるのが本当にゆうぴさんらしくて、物凄く沸いたんですが、最後のセリフに長妻と何者が入ってるこれは…。りりさんがトリッキーな方だととらえていいですか、、？笑 (2017年10月31日 16時) (レス) id: a9fe46912a (このIDを非表示/違反報告)
鎖蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます！初めの頃から読ませていただいてました^^季節はすっかり秋なのに、夏恋を読むとどうも夏の淡い恋が目に浮かんで、りりさんの世界観に引き込まれてました…！ (2017年10月31日 16時) (レス) id: a9fe46912a (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - みーたんさん» コメントありがとうございます！全部読んで頂けて光栄です、瑞稀くん優斗くんはずっと出したかったんですがタイミングが掴めず最後に(笑)こちらこそ素敵なお言葉嬉しいです（＾Ｏ＾）ぜひ次回作もよろしくお願いします！ (2017年10月27日 16時) (レス) id: 065cfa3c4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りり | 作成日時：2017年9月28日 1時
