【文スト】ファンレターからの恋【エドガー・アラン・ポオ】

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羽弥────

最後に手紙を送ってから二ヵ月がたった

手元のあるのは日本へ行くかもしれないという手紙のみ

それから手紙は来てなかった

毎朝早く起きて郵便受けを開けションボリとして仕事から帰って郵便受けを開けため息を吐く

ずっとその繰り返しだった

『ポオくん･･･どうしたのかな･･･』

TVをつけても1週間か二週間前から続けて報道されている7回建ての建物が一夜にして消えた事件しか無かった

普通ならそれすら驚くことだが、私にしてみればポオくんからの手紙の方が大切だった

携帯のある電話番号を押して悩む

あと1回。通話ボタンを押せば解決するかもしれない

だから私は迷う

私の携帯の画面にはずっと前に教えて貰ったポオくんの電話番号があった

色々なところへ行くから手紙の返事が出せないかもしれないと。教えてくれたのだ

それに合わせ私もポオくんに教えた

だからポオくんも私の電話番号を知っている

静かに目を閉じ息を吸い静かに吐く

ポオくんは私と話したくないかもしれない

だから返事がないのかもしれない

携帯が壊れたかもしれない

仕事が忙しいかもしれない

色々なかもしれないが頭の中を埋め尽くす

私は本棚を開け1冊の小説を取り出す

その手にはまだ新しい『黒猫』の小説があった

早くポオくんに感想を言いたい

続けて『モルグ街の殺人』を手に取る

この2冊が私とポオくんの最後の繋がり

目を閉じ息を吐く

こうするとポオくんに会えるのではないかといつも思ってしまう

会えないと分かっていても

『ポオくん･･･会いたいよ･･･』

私は夕ご飯を食べすにベットへ潜り込み携帯の画面を見る

『ポオくん･･･好きなの･･･』

まだあったことの無い彼の番号を最後に私はユックリと夢の中に引き込まれて言った

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