光と影【野坂悠馬】 (ページ15)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:40,394 hit

-14- ページ15

野坂｢お待たせ｣

神崎｢練習お疲れ様｣

野坂｢ありがとう

どうだった？見てて｣

神崎｢すごいと思った

やっぱり王帝月ノ宮中のサッカー部って

トップクラスの実力持ってるだけあるね｣

野坂｢そんなことも知ってるんだ｣

神崎｢まあ、サッカーに未練タラタラだったから｣

野坂くんが制服に着替え

観客席のところまで

走ってきてくれて

そのままそこで話していた

西蔭｢野坂さん、ちょっと練習のことで

って、すみません

お取り込み中でしたか｣

野坂｢平気だよ｣

ゴールキーパーをしていた西蔭くん

メガネを外していたため

とっさに野坂くんの後ろに隠れる

西蔭｢えっと、何かしてしまいましたか｣

神崎｢いや、違うんです

すみません、人の目が怖くて…｣

野坂｢大丈夫だよ、西蔭はいいやつだから｣

神崎｢それはわかるんだけど…｣

野坂くん以外の

特に異性となると

やはり、自然と拒否反応が出てしまう

野坂くんの服を握る手に

力が入り

震えてしまう

野坂｢ごめんね、気にしないであげて｣

西蔭｢いや、別にいいんですが

どうしてここに？｣

野坂｢見学してくれる気になったから

僕たちの練習、上から見てたんだよ｣

神崎｢人が多いところも苦手で…｣

西蔭｢そういうことですか｣

野坂｢A、ちょっとだけ

ごめんね｣

野坂くんが

私の手を離し

西蔭くんの方に近寄る

2人が何やら話している間に

私はカバンからメガネを取り出す

これで、目は合わせられないけど

普通に話せる

西蔭｢それにしても

メガネがあるのとないのとじゃ

全く印象が違いますね｣

野坂｢Aは美人だからね｣

西蔭｢その割になんの話題にもならないのは

このメガネのせいというわけですね｣

野坂｢話題になっても困るからね｣

2人がこっちを向いて

何かを話していたみたいだが

遠くて何にも聞こえなかった