引き合うさびしさの引力 ページ30
あれから度々、1人で出かけたりすると視線を感じるようになった。
さとみくんにはもちろん相談済みで、極力はさとみくんと一緒にいるようにはしている。
夜遅くなる時や暗い時はさとみくんかあつ兄かすとぷりメンバーの誰かと通話しながら帰るようにしている。
それでも消えない違和感。
家のすぐ近くまでついてきてる感覚があるから、さとみくんのリスナーだったら家バレしてしまっているということになる。
そんな生活が長らく続いてくるとやっぱり精神的に辛いものがある。
いつものように買い物に行って、今日はさとみくんが車でむかえにきてくれるらしいから、スーパーからちょっと離れた道路に立って待つ。
いつものように、さとみくんかるぅとくんに電話をかけようとした時だった。
目の前に影ができる。
パッと顔を上げると見たことない量産系の服を着た女の子が2人ほどたってた。
「えっと、？」
「……で」
「あの、何か用ですか？」
「なんであんたみたいなのがさとみくんの彼女なわけ！？」
突然声を張り上げた女の子は酷く怖い顔をした。
胸ぐらを掴まれて、咄嗟にスマホはるぅとくんに電話をかけてカバンにしまった。
さとみくんは多分運転してるから、電話口のやり取りを聞いて事故でもあったら嫌だから。
「私の方がずっとずっとさとみくんのこと好きなのに！！私の方が可愛いのに！なんで！お前なんだよ！」
「…さとみくんに聞いてくださいよ」
「いつも飄々として私たちのことバカにしてるんでさょ？！」
「さとみくんのリスナーが好きとか言いながら馬鹿にしてんでしょ！」
「してない」
「お前さえいなければ！！！」
一人の女の子が出したのはカッターだった。
細めのカッターなんかじゃなくて、大きい太めのカッターだと認識した直後だった。
お腹に感じた熱。
血が溢れて出るその感じに、声は出ず、女の子たちはすぐさま立ち去った。
刺されたのかと、理解すると同時にさとみくんが大声を上げてこちらに来てる。
「A！！！」
そのまま前に重心が行き、倒れる直前にさとみくんに支えられて、安心からなのか、痛みからなのか、目を閉じそうになる。
周囲の人も警察や救急車を呼んでくれてる。
「でん…わ」
そういうと、さとみくんは私のスマホを見てるぅとくんに連絡を取り始める。
さとみくんの顔は怒ったような、悲しそうな顔をしていた。
あぁ、今日は一緒に寝れないなぁ。
なんて考えて目を閉じた。
☆
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はちみつ(プロフ) - はのさん» 2度もコメントありがとうございます。どちらも読ませていただいておりました！特にこう言う界隈は他界隈への影響も大きので少しでもリスナーの意識が変わったらなーと思いつつ書きました。素敵な作品と言ってくださり、ありがとうございました！ (2020年2月3日 2時) (
レス) id: fdd37857b4 (このIDを非表示/違反報告)
はの - 二度目のコメント失礼します。完結おめでとうございます！更新お疲れ様でした！！こういうことがありえそうなのが怖いですよね…特にこの界隈は年齢層が低いのでそれも踏まえて、ですよね…考えさせられる素敵なお話をありがとうございました。次回作も楽しみです。 (2020年1月27日 1時) (レス) id: d7c684c614 (このIDを非表示/違反報告)
はの - お話の題名が素敵すぎます…！内容も面白いし現実的で凄く素敵です！こんな素晴らしい作品なのに素敵としか言えない自分の語彙力を恨みます…作者さんのペースで頑張ってください！応援しております！！ (2019年9月16日 4時) (レス) id: d7c684c614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舘 | 作成日時：2019年8月5日 3時
