［ONE PIECE］いや知らねェよ、って思ってました。今までは。-2- (ページ40)

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６５話ページ40

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『ギャラリー多っ！』

｢そりゃ、新入りが参謀総長と手合わせするなんて、有り得ないからな｣

『え！？恒例じゃないの！？』

｢あァ｣

当然、みたいに頷かないで

1つ溜息をついて、軽く準備運動をする

｢Aちゃん、本当にやるの！？｣

『ん？んー、まぁ、大丈夫でしょ』

根拠はないけど、と言ってへらっと笑う

ほんとに、大丈夫な気がするんだよね

何だかんだ言って優しいから…でも、手加減したら許さない

関節を鳴らし、背中の鉄パイプを抜かずに握りしめる

足のマグナムは、ホルスターごとクロカに渡してきた

｢いいか？｣

『いつでも』

｢いくぞ…っ！｣

速いなぁ、なんて呑気に言ってる場合じゃ無いんだけど

肌と肌のぶつかる音を響かせ、サボの攻撃をいなしていく

隙を見て武装色を纏って回し蹴りを入れれば、当然の如く武装色で止められた

｢いいねェ、久々に楽しめそうだ｣

『ふふっ、私も！』

お互いに笑いながら、話しながら

それでも攻撃の手は休めない

何かに躓き、体制が崩れた所を突かれ、尻餅をつく

振りかぶられた鉄パイプを同様に受け止め、流す

そこからは2人とも武器ありの勝負

上、下、横、と色んな所から入れられるサボの攻撃を受け、躱していると背中に岩が当たった

｢竜の鉤爪!!｣

『ぅわっ！？』

ほぼ反射的に体が動き、慌てて避ける

ムスッとしながら彼の顔を見れば、申し訳なさそうにしてた

｢楽しくて、つい…｣

『そんな言葉に騙されないから！』

嬉しいけどね！と付け足せば、笑ってくれた

そこからまた攻防が続く

決着がついたのは一瞬だった

サボにできた一瞬の隙を見逃さず、足を鉄パイプで絡めとるように掬い、バランスを崩した所で服を引っ張り、起き上がる暇も与えずに目の前にそれを振り下ろした

『ゲーム、オーバーね』

暫くの沈黙の後、サボが笑った

｢負けたよ、｣

『サボ、手加減してたのならやり直して』

｢…は？｣

『だから、隙を見せたのが手加減してたせいなら、やり直して』

勝てたけど、手加減してくれたお陰じゃ意味が無い

じっと見つめあって、またサボが笑った

それを驚いていると、頭を撫でられた

｢俺は全力でやったよ、隙が見えたのならそれは俺のミスだ。何が原因であれその隙を作ったのは俺なんだから｣

『そ、っか』

サボは、色んな意味でセコいなぁ

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