8話 ページ9
次の日、Aは幹部である紅葉に呼び出されていた
『姐さん、用事とは?』
紅葉「少し、Aに聞きたい事があっての。太宰も呼んでおる、もうすぐ来るじゃろう」
『兄さんも、ですか?もしかして喧嘩でもしましたか、兄さんと』
紅葉はクスリと笑うと、首を横に振った
紅葉「そんな訳無かろう」
直後
部屋にノックの音が響き、太宰が入って来た
紅葉「おお、太宰。遅かったの」
太宰「すいません姐さん、ちょっと入水で忙しくて」
紅葉「その割には、濡れておらんが?」
太宰「冗談ですよ、書類に手間取ってました」
紅葉は内心納得しなかったが、本題に入った
紅葉「二人に聞きたい事があっての」
太宰「姐さんが聞くことなら答えるよ」
紅葉「そうかえ、なら聞くとするかの……太宰、最近Aの怪我が増えておる。異常な数じゃ、何か心当たりはないかえ?」
Aの体には、太宰程ではないが至る所に包帯が巻いてあり、ガーゼも貼っている
太宰「……」
紅葉「太宰、答えるのじゃろう?」
『姐さん、僕なら大丈夫です。兄さんはいい指揮をしてくれます、それを僕がしくじっただけです。怪我はその時に負いました、僕はいくらでも傷付いたって構わないので、大丈夫です』
紅葉「A、その包帯は傷を隠しておるのじゃろう?それだけ傷跡が多い、傷跡など残すものでは無い。わっちはAが心配で堪らん、いつか大怪我をするのではないかと。命に関わる大怪我を」
太宰「姐さん、Aが死ぬ訳ないでしょ。この子が死ぬ時は、余程しくじった時だけ。まあ昨日もしくじったけど」
紅葉「すこしの失敗が何じゃ、気にする事では無かろう」
『姐さん、兄さんは真面目ですから。兄さんの計画通りに動けなかった僕が悪いんです、兄さんに非はありません。それに、僕は死んだって構いません。いくら傷こうと、いつ死んでも、構いません。僕一人が死んだって、何も変わりはない筈です。僕より優秀な幹部補佐もいると思います。僕がいなくなっても、世界もポートマフィアも、何一つ変わらず正常に回ります。僕はたかが幹部補佐です、死んだ所で支障はないでしょう』
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奏(プロフ) - 初めまして!読みさせていただきました!とてもおもしろく文ストの中で一番お気に入りになりました! (2022年3月6日 11時) (レス) id: 58f865f500 (このIDを非表示/違反報告)
狂 - あのー33話の「あぁ、聞いていたよ。泣きはしないけど……」のところ太宰さんではないでしょうか?織田さんになっているので、違っていたらすみません。(..) (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
狂 - あまり見かけないような内容と設定にひかれました!たのしみにしてます!更新頑張って下さい!(о´∀`о) 追記自傷無色に少し似てますね (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
0wh790112p351y(プロフ) - 初めてましてです!本当に面白かったです!夢だと思ってるシーンで泣いてしまいました、、更新、応援しています! (2020年7月19日 18時) (レス) id: ff99cc9e63 (このIDを非表示/違反報告)
rin3636(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しています。他にはない設定ですっかりハマってしまいました!大変かとは思いますが更新頑張って下さい! (2020年7月18日 23時) (レス) id: 72a1d947af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリウ | 作成日時:2020年7月8日 15時