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17話 ページ18

太宰side

太宰「本当に腹が立つ」

イラつきと悲しみを込めて、私はAの腹を膝で蹴った

『っ……』

Aが少しだけ痛みに顔を歪めた

けれどやはり泣きはしない

『……兄さん、僕何か──』

太宰「黙れ」

中也「おい太宰──」

ノックもなしに扉が開いた直後

私はAの頬をおもいきり叩いた

入ってきたのは中也だった

中也「あぁ、中也。どうしたの?ノックくらいしてよ」

バチンッ

もう一発

まだだ、まだ躾が足りない

けれど、何故かAを殴る度に、心臓が痛む

私が再び叩こうと手を振り上げたが、中也がそれを止めた

中也「てめぇ何やってんだ!」

太宰「何って、躾に決まってるでしょ」

こんどは膝で腹を蹴る

中也「おい!」

太宰「中也、これは躾なんだ。使えない妹を、教育してあげてる、ただそれだけ」

中也の手を振り払ってAを床に投げ捨てる

そしてもう一度腹を蹴る

『っ……兄さん、ごめんなさい』

あぁ、またそうやって謝る

太宰「意味の無い謝罪なんて言われても迷惑なだけだ、それくらい考えなよ」

これは躾だ

使えない妹を使えるようにする為の

髪を掴んでAの顔を上げさせる

Aと目が合った

でも、やっぱり私を見ていない

目は合っているのに、まるで殴られているのがどうでもいい

下手をすれば殴られているのを分かっていないような目だ

何故抵抗しない……

『ごめんなさい、兄さん』

太宰「……これだから愚図は嫌いだ」

中也「おい太宰──」

こうすれば、抵抗するだろう?

パァン

『うっ…………』

Aが小さく呻いた

Aの右足周辺に、血溜まりができる

銃で足を撃たれたんだ、これで少しは抵抗の意志を見せるだろう

さぁ、抵抗をしろ

銃を投げ捨てて、叩こうと手を振り上げると

中也がAを引っ張り、守るように抱き締めた

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(プロフ) - 初めまして!読みさせていただきました!とてもおもしろく文ストの中で一番お気に入りになりました! (2022年3月6日 11時) (レス) id: 58f865f500 (このIDを非表示/違反報告)
- あのー33話の「あぁ、聞いていたよ。泣きはしないけど……」のところ太宰さんではないでしょうか?織田さんになっているので、違っていたらすみません。(..) (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
- あまり見かけないような内容と設定にひかれました!たのしみにしてます!更新頑張って下さい!(о´∀`о) 追記自傷無色に少し似てますね (2021年7月10日 18時) (レス) id: 9d7ef0cd22 (このIDを非表示/違反報告)
0wh790112p351y(プロフ) - 初めてましてです!本当に面白かったです!夢だと思ってるシーンで泣いてしまいました、、更新、応援しています! (2020年7月19日 18時) (レス) id: ff99cc9e63 (このIDを非表示/違反報告)
rin3636(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しています。他にはない設定ですっかりハマってしまいました!大変かとは思いますが更新頑張って下さい! (2020年7月18日 23時) (レス) id: 72a1d947af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリウ | 作成日時:2020年7月8日 15時

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