意味が分かると怖い話 【ハイキュー 白鳥沢Ver.】

瀬見英太:古い学生寮 ページ9

とある古い学生寮に越してきた俺は最近、ある悩みを抱えている

俺は寮2階の角部屋に住んでるんだけど、数日前の晩から

[カリ……カリ……]

って、壁を引っ掻く音が聞こえてくる

最初は僅かにだったけど、その音は少しづつ大きくなってる

部活で疲れて帰る事もあるし、正直うんざりさせられる

あと何日が続くなら、苦情を言いに行こう

ｰ数日後ｰ

近頃、階段際の部屋主の郵便受けにチラシが溜まりはじめてる

ウチの寮は部屋が直線に並んでいて、その末端に階段が1つある形になってる

つまり、角部屋の俺の部屋が下に降りるのに1番大変なんだ

チラシを配られる方も迷惑かもしれないけど、みっともないから回収して欲しい

そしてその晩、やっぱりあの音がした

[ガリ……ガリ……]

不快な音を遮る為に布団に潜ったけど、結局気になって寝付けなかった

翌日の夕方、堪りかねた俺は隣人のドアベルを鳴らした

出てきた男は目の下に隈を作っていた

瀬見「あの、毎晩毎晩壁を引っ掻く音が煩いんですけど。辞めてもらえませんか？」

隣人「それは隣に言ってくれ、俺も煩くて眠れねーんだよ」

そう言うとぶっきらぼうに扉を閉められた

仕方なくその隣人の部屋を訪ねたけど、返事は無かった

はぁ……今日もあの音にうなされるのか……

そして男の部屋を訪ねた晩

[ガリガリガリガリ]

やっぱりあの音が聞こえた

しかも今度は誰が聞いても隣から聞こえていると判断できる音量だ

あの隣人、結局あいつが引っ掻いてたんじゃねーか……

明日になったらもう1回文句言いに行ってやる

翌朝、俺は隣の家の扉を思い切り叩いた

天童に相談したら、そろそろキレてもいいだろって

確かにこれは俺もキレる

ドアベルも連打したけど、それでも家主は出てこない

だんまり決め込む気か、アイツ……

このままじゃ学校遅れるし、帰ってからにするか……

そう思って階段へ顔を向けた俺はある事に気付いた

俺以外の全ての部屋に、大量の郵便物が溜まってる事に








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〘 解説 〙
《俺以外の全ての部屋に、大量の郵便物が溜まってる》
この時点で寮には瀬見以外に誰も住んでいない事が分かる。
《その音は少しづつ大きくなっている》
何者かが壁に穴を開けて奥の部屋から順(一日一部屋)に住人を殺していた。
昨日は隣人、そして今日は瀬見の番……
音が段々大きくなっていたのは、瀬見の部屋に迫ってきていたから。

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