8話 ページ9
山形「難聴だから自分達とは違うって言いたいのか、それともバカにして楽しいか?」
入間「ち、違います!ちょっとしたイタズラのつもりで!」
荒木「こんなに、困るって、思わなくて……」
白布「困るに決まってんだろ。お前等、いい加減気付けよ。俺達全員、いま最大級に怒ってる」
天童「鍛治君にほーこく決まりだネ」
荒木「それだけは ───」
?「報告はしなくていい」
その場に渋くも重みのある声が聞こえた
その声の主は紛れもない、白鳥沢の鬼監督
瀬見「鷲匠監督」
監督である鷲匠を目の前にした2人はさらに青ざめた
このタイミングからして間違いなく聞かれていたのは確か
どんな処罰が下るかは目に見えていた
鷲匠「全て聞いていた、処罰は分かってるな」
荒木「あ、お願いします!バレーだけは辞めたくないんです!」
入間「もう、もうこんな事は!」
鷲匠「お前達には失望した」
失望した、その言葉に2人は死人の様に更に青ざめた
鷲匠「何度も繰り返した愚行、いつも部員を支えた者への仕打ち。部員としても人としても、お前達は失格だ。何度Aを苦しめた、どれだけ困らせた、どれ程傷付けた。分かっているだろうが一応言う、お前達は”退部”だ。もう白鳥沢でバレーをする事は許さん、今すぐ帰れ」
まだ言いたい事も退部したくない事もあったであろう荒木と入間だったが、鷲匠とレギュラーメンバーの鋭い視線と圧に耐えられず、言われた通りに体育館を出ていった
2人がいなくなると鷲匠はAの元へ行き、手を優しく握った
鷲匠「若利、通訳を頼む」
牛島「はい」
手話が出来ない鷲匠は若利にAへの通訳を頼み、口を開いた
鷲匠「耳が難聴だろうと関係ない、お前は俺達白鳥沢バレー部を支える大事な仲間だ。泣いてもいい、弱音を吐いてもいい。ただ1人ではない事を忘れるな」
数秒遅れて若利に鷲匠の言っている事が伝わったAは、周りの目も気にせずわんわんと泣いた
瀬見「泣け泣け、誰も責めねえよ」
山形「いつも俺達を支えてくれてありがとな」
大平「Aは強い子だ、だからたまには泣きなさい」
天童「Aちゃん虐める子は、俺が心も精神もバッキバキに折るから!」
五色「俺!いつもAさんが励ましてくれるから頑張れるんです!」
川西「俺クラス同じだし、席隣りだし、困ったら直ぐ助けるから」
白布「俺はずっとお前の味方だ、安心しろ」
牛島「A、お前は俺の、自慢の妹だ」
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あまね(プロフ) - 下のコメ欄との温度差凄いけどいいます。この作品何度も読み返すくらい好きです☺️ (7月30日 12時) (レス) @page11 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
技師 - 身の回りには耳が不自由な人はいないけれど、耳が聞こえない人にとって何もかもの音が聞こえなくなるのは怖いですよね…あと高校生にもなって小学生みたいに人の物を壊すのはなんともいえない… 耳が不自由な人にとって補聴器の大切さを分かってくれるといいですね…! (2022年1月7日 20時) (レス) @page11 id: b33d35a5c4 (このIDを非表示/違反報告)
風呂好き - 続きが見たいです (2021年7月7日 16時) (レス) id: c83dabd010 (このIDを非表示/違反報告)
水無月輝(プロフ) - この作品で障害者について考えた事のない人も少しは考えて欲しいものです (2020年11月14日 2時) (レス) id: 4a91e17161 (このIDを非表示/違反報告)
水無月輝(プロフ) - 私は家族に障害者がいます。家族と同学年で耳の不自由なこと私は友達ですがその子達もみんなそれぞれ悩み事があったり苦しいことがあったりします。人のことを考えないなんて高校生としてどんなんでしょう。もしも自分がなったらって考えてみて欲しいものです。 (2020年11月14日 2時) (レス) id: 4a91e17161 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリウ | 作成日時:2020年10月15日 9時