5話 ページ6
白布side
[誰に壊された？]
Aが泣きながら震える手で牛島さんの手を取って掌に指で字を書いた
牛島「あ、ら、き…い、り、ま」
川西「！」
白布「おい、荒木と入間って太一達と同じクラスの奴だよな？いつも2人でつるんでる奴らだろ？」
天童「そのお2人は居ないみたいだけど？」
五色「荒木さん達ならロードワークに行ってます、白布さん達の直ぐ後だからもうすぐ帰ってくるんじゃないですか？」
五色が言った直後、体育館の反対入り口から目的の奴らの声がした
俺達全員が荒木達の方を向いた
荒木「アイツの補聴器隠すの何回目だっけ？」
入間「多分7回目くらいじゃね？」
荒木「結構隠したよな、まぁ今回は隠したじゃなくて壊したんだけどな。ははっ！」
俺達が聞いているとも知らない2人は口々にAの悪口や補聴器の事を話す
荒木「顔が可愛くてもなぁ」
白布「……」
入間「牛島さんの妹とは思えねぇよな」
妹とは思えない、その言葉と同時にAが荒木達の方を向いた
多分ふと顔を上げただけで、特に意味は無いんだと思う
でも、それが不味かった
聞こえなくても、Aは人の感情を敏感に感じ取る
それも人一倍
難聴な分、小さい頃から視覚の方を頼ってきたA、だからこそ鋭い観察眼を持つ
『っ……わあ兄、妹で、ごえんなさい…！』
ごめんなさい、そう謝ったAの目を俺は手で覆った
太一は安心出来るように頭を撫でて、先輩達は守るようにAを囲んだ
牛島「荒木、入間」
「「はい」」
牛島さんに呼ばれた荒木達が俺達の目の前に来た
牛島「補聴器を壊したのは、お前達か？」
荒木「え……」
入間「いや……」
この態度、はぐらかす気だ
俺と太一はこいつらと同学年だから特に見てる
お前達の態度一つを見逃すと思うなよ
白布「しらばっくれるなよ、誤魔化せると思ってんのか。補聴器隠したりしてたの、お前達だろ」
荒木「は、何言ってんだよ白布。俺達がそんな事する訳ないだろ……」
白布「全部聞いてた、隠すの7回目なんだろ？よく飽きずにそんな事出来たな」
入間「いや、別に悪気があった訳じゃ……」
瀬見「悪気があるから隠したんだろ、しかも今回は壊されてる。お前ら、いい加減にしろよ」
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あまね(プロフ) - 下のコメ欄との温度差凄いけどいいます。この作品何度も読み返すくらい好きです☺️ (7月30日 12時) (
レス) @page11 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
技師 - 身の回りには耳が不自由な人はいないけれど、耳が聞こえない人にとって何もかもの音が聞こえなくなるのは怖いですよね…あと高校生にもなって小学生みたいに人の物を壊すのはなんともいえない… 耳が不自由な人にとって補聴器の大切さを分かってくれるといいですね…！ (2022年1月7日 20時) (レス) @page11 id: b33d35a5c4 (このIDを非表示/違反報告)
風呂好き - 続きが見たいです (2021年7月7日 16時) (レス) id: c83dabd010 (このIDを非表示/違反報告)
水無月輝(プロフ) - この作品で障害者について考えた事のない人も少しは考えて欲しいものです (2020年11月14日 2時) (レス) id: 4a91e17161 (このIDを非表示/違反報告)
水無月輝(プロフ) - 私は家族に障害者がいます。家族と同学年で耳の不自由なこと私は友達ですがその子達もみんなそれぞれ悩み事があったり苦しいことがあったりします。人のことを考えないなんて高校生としてどんなんでしょう。もしも自分がなったらって考えてみて欲しいものです。 (2020年11月14日 2時) (レス) id: 4a91e17161 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリウ | 作成日時：2020年10月15日 9時
