10話 ページ11
翌朝、Aはいつもと違う部屋で目を覚ました
『(確か、補聴器、壊されて、危ないから若兄と……)!』
Aは咄嗟に飛び起き兄の若利を探した
しかし部屋にいない
『あ、わ、わあ兄…!?』
音の聞こえない状態、そして若利がいないという状況を把握したAはパニックになった
『(若兄、何処、何処!)あ、うぅっ……!』
不安とパニックに陥り、思わず泣き出した時だった
ガチャリとドアが開き、若利が入ってきた
しかしAは聞こえていない為若利に気付かない
牛島「A?どうした?」
泣いている妹を見て若利は直ぐに此処にいると、頭を撫でた
[どうした?]
[いなかったから、びっくりして]
[すまない、ロードワークに行っていた]
手話でロードワークに行っていた事を伝えると、Aは泣き止んだ
[驚かせたな、起きるか?]
コクリと頷くとAはジャージに着替え、若利と共に食堂へ向かった
時間はまだ6時だが朝練のある生徒の為に、食堂は早くから開いている
食券を出し、朝食の乗ったトレーを受け取ると
若利と並び座った
天童「おっはよー!若利君、Aちゃん!」
同じく朝食の乗ったトレーを持った天童が明るく話し掛け、2人の向かいに座った
Aには座る前に肩に手を置き、手話で挨拶をする
[おはよう]
[おはようございます]
モグモグと美味しそうにご飯を食べるA
思ったより元気そうなAを見て天童は安心した
天童「良かった、元気そうで」
牛島「あぁ、体調面では問題ない様だ。しかし、朝泣いていた」
天童「エッ!?何で!?」
牛島「俺がロードワークに行っている間に目が覚めた様で、俺の姿が見当たらなくて不安になったらしい」
天童「成程ネ。確かに、今の状態じゃ誰か傍に居ないと不安になるよネ」
牛島「学校では、川西が傍にいると約束した」
天童「太一が傍に居るなら安心だネ、賢二郎も確か隣のクラスだった筈だし」
牛島「あぁ、荒木と入間には近付けさせない」
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あまね(プロフ) - 下のコメ欄との温度差凄いけどいいます。この作品何度も読み返すくらい好きです☺️ (7月30日 12時) (レス) @page11 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
技師 - 身の回りには耳が不自由な人はいないけれど、耳が聞こえない人にとって何もかもの音が聞こえなくなるのは怖いですよね…あと高校生にもなって小学生みたいに人の物を壊すのはなんともいえない… 耳が不自由な人にとって補聴器の大切さを分かってくれるといいですね…! (2022年1月7日 20時) (レス) @page11 id: b33d35a5c4 (このIDを非表示/違反報告)
風呂好き - 続きが見たいです (2021年7月7日 16時) (レス) id: c83dabd010 (このIDを非表示/違反報告)
水無月輝(プロフ) - この作品で障害者について考えた事のない人も少しは考えて欲しいものです (2020年11月14日 2時) (レス) id: 4a91e17161 (このIDを非表示/違反報告)
水無月輝(プロフ) - 私は家族に障害者がいます。家族と同学年で耳の不自由なこと私は友達ですがその子達もみんなそれぞれ悩み事があったり苦しいことがあったりします。人のことを考えないなんて高校生としてどんなんでしょう。もしも自分がなったらって考えてみて欲しいものです。 (2020年11月14日 2時) (レス) id: 4a91e17161 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリウ | 作成日時:2020年10月15日 9時