不満な彼女は自由を求める【リヴァイ】 (ページ44)

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43話ページ44

バシュゥ

エルヴィン「！」

A達の右方向から赤の信煙弾が上がった

巨人発見の合図だ

場所は初列八･索敵班

『エルヴィン』

エルヴィン「あぁ」

今度はエルヴィンが緑の信煙弾を撃った

進路決定の合図だ

アリィ「今の所は、通常種だけみたいですね」

通常種だけだと安心したのはリーガンと同じくAの班員であるアリィ

リーガン「奇行種なんか来られたら面倒だしな、アイツらも安全だろ」

アイツら、というのは他の班員だ

他数名の班員は右翼側にいる

『馬鹿、壁外調査に安全も安心もある訳ないだろ。マシな場所はあっても、絶対安全な場所は少ない。せいぜい今から向かう巨大樹の森くらいだ』

アリィ「その巨大樹の森が見えましたよ」

A達の目の前に現れたのは巨大な樹木の群れがある場所、巨大樹の森だ

ウォール･マリアが陥落する前は観光地としても有名だった

此処は立体機動が最高に力を発揮する場所だ

巨人と戦うにあたって、この場所程有利な場所は無いだろう

荷馬車を連れて森に入ると、日光が一気に遮られた

全く光が無いという訳では無いが、森の外に比べればやや薄暗い

『さて、目的地到着だ』

ある場所でエルヴィンを先頭に荷馬車が止まった

荷馬車から降ろされたのは大量の樽

しかしただの樽ではない

樽の中には7本の鉄の筒が敷き詰められ、その筒には両端に付けたワイヤーが螺旋状に内包されている

特定の巨人を拘束する目的として作られた調査兵団の新たな兵器だ

『リーガン、アリィ、荷馬車護衛班と準備。位置は伝えた通り、少しもずらすな。必ず捕らえる』

リーガン「はっ」

リーガンとアリィ、そして荷馬車護衛班が樽を降ろし準備を始めるとAはエルヴィンやミケ共に立体機動で木の上に登った

ミケ「ここ迄は難なく来れたが、目的の奴をここまで連れてこられるかが問題だな。上手く引っかかればいいが」

エルヴィン「必ず引っかかる、その為にエレンを囮としてリヴァイに預けた」

『リヴァイなら絶対に此処へ連れて来るさ、少なくとも僕はそう信じてる』