不満な彼女は自由を求める【リヴァイ】 (ページ29)

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原初的欲求:28話ページ29

調査兵団がウォール･ローゼに辿り着いたのは既に日が暮れ始めた夕方だった

本当に壁が破られていた事も驚いたが、何より驚いたのは

その穴を塞いだ者が巨人だった事

話を聞けば、ある訓練兵が突然巨人化し、それを知った駐屯兵団のピクシス司令が今回の作戦を思い付いたらしい

穴は塞がり、トロスト区に閉じ込めた巨人も掃討した

その際、4m級と7m級の巨人の生け捕りに成功

穴は塞がり、巨人も生け捕りに出来た

しかし問題はまだ残っている

『エレン･イェーガー、104期訓練兵団所属。出身地、ウォール･マリア、シガンシナ区』

巨人化した訓練兵、エレンの処遇だ

エレンは直ぐに地下牢に入れられ、身柄は憲兵団が受け持つ事になった

暫くすると、ハッとした表情でエレンが目を覚ました

『あ、目ぇ覚めた？』

エレン「………」

エレンは自分の置かれている状況が上手く呑み込めていない様で、明らかに動揺している

エルヴィン「何か質問はあるか？」

エレン「あ、あの……此処は何処ですか？」

エルヴィン「見ての通りだが、地下牢とだけ言っておこう。いま君の身柄は、憲兵団が受け持っている。先程ようやく、我々に接触の許可が下りた」

エルヴィンが1つの鍵を取り出しエレンに見せると、エレンは更に動揺した

エレン「それは……！」

エルヴィン「あぁ、君の持ち物だ。後で返すよ」

エルヴィンによると、陥落したシガンシナ区にあるエレンの生家に地下室があり、そこに巨人の謎があるという

エレンにも確認すると、父親はそう言っていたらしい

リヴァイ「お前は記憶喪失で、親父は行方知れずか。随分と都合のいい話だな」

エルヴィン「リヴァイ、彼が嘘をつく理由は無いとの結論に至った筈だ。まだまだ分からない事だらけだが、今すべき事は君の意思を問う事だと思う」

エレン「俺の、意思ですか……？」