不満な彼女は自由を求める【リヴァイ】 (ページ28)

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27話ページ28

そして数時間掛けて辿り着いた街

いや、元街中と言った方がいいだろう

人の住まなくなった街中は廃墟と化していた

そして廃墟となったウォール･マリアの街中で巨人と戦う兵士がいた

しかし運悪く捕まれ、体の半分は既に巨人の口の中

巨人は口をもごもごとさせ、兵士を見ている

「今に、見てろよ…お前らなんか今に…人類が滅ぼす！最後に生き残るのは、人類だ!!」

最後に一矢報いてやろうと、兵士が巨人の頬に剣を刺した

が、巨人はものともせず兵士を更に噛んだ

「ぐあぁぁぁぁぁ!!」

骨が砕け折れる音が、バキバキと鳴る

「お前らなんか、きっと……リヴァイ兵長が！」

直後、巨人が項を削がれドシンと倒れた

兵士の目に、リヴァイの姿が映った

それは彼にとって希望の光景だ

そして街中を闊歩する巨人を倒すのは勿論リヴァイだけでは無い

すぐ近くではAも戦っていた

Aは口の周りに血を付けた巨人を見詰め、剣を構えた

既に部下が2人殺られ、1人は完全に食われてしまった

『僕の部下を殺しておいて、生きてられると思った？』

Aに手を伸ばす巨人

しかし伸ばした手は易々と避けられ、項を削がれた

『後2体…人間2人に寄って集って、３体で殺した訳だ』

巨人「うおあぁぁぁ」

『おい、巨人共…死ぬ覚悟は出来てるんだろう？』

そしてものの数秒で2体の巨人を倒した

だが巨人を倒したからと言って死んだ部下は帰ってこない

「A分隊長、団長がお呼びです！」

屋根の上にいたAに、伝令を伝えに別の部下がやって来た

地上に降りると、馬に乗ったエルヴィンが他数名の兵士を連れていた

『何、エルヴィン』

エルヴィン「退却する」

『は？』

Aがイラつきながらエルヴィンを見た

『何で？まだ行けるでしょ、部下が2人死んだんだけど。僕の部下は無駄死にした訳？』

リヴァイ「巨人が街に向かって一斉に北上し始めたらしい」

『！』

エルヴィン「何を意味するか分かるな？」

『壁が破壊されかもしれないって言いたいの？』

エルヴィン「あぁ」

『超大型巨人の襲撃からまだ5年だよ、早々に壁が破られて堪るか』

エルヴィン「だからこそだ、100年続いた平和が壊されるのは一瞬だった。お前も分かっているだろう、この状況を」

『………分かった、ただし遺体の回収はさせてくれ』