16話 ページ17
『企みも知っていたよ、でもそんなの関係ないかなって。”自由の翼を羽織って、巨人と戦う。どんな事があっても、自由の翼を羽織っている限りは仲間だ”。ジャックがそう言ったから、今の今まで頑張ってる訳だけどさ。もっと、ちゃんと忠告していれば違っていたか……奇行種だったんだ、2人には重かった筈だ。他の兵士でもやられるのに、新入りが勝てる確率は低い。ファーランとイザベルが死んだのに僕のせいだ、何人仲間を助けたって、助けられなかった奴もいる。その時点で、僕は兵士長失格なのかもね。僕の髪を綺麗だと言ってくれた君も、助けられなかった。君だけじゃない、アイラ、リヨン、ノルン。助けられなかった、君達4人を。ジャック、そっちは楽かい？アイラ達も、一緒にいるかい？…ねぇ、ジャック。謝る事しか出来ない僕を、どうか許さないでくれ。優しい君達だ、きっと怒ってもないんだろう？怒ってくれて、構わないのに。君達を、こんな冷たい石の下に埋める羽目にしたのは僕なんだ。化けて文句の一言くらい、言って欲しいんだけど…』
墓石を壊れ物の様に撫でるA
その頭を、何とリヴァイが思いっきり叩いた
『痛ったぁ！おい、エルヴィン──って、リヴァイか』
リヴァイ「…何してる」
『何って見ての通り、墓参りだよ』
リヴァイ「傘もささずにか？」
『そうだよ、死んだ仲間達は冷たい石の下なのに、自分だけ傘をさすなんて出来ない』
リヴァイ「なら、俺もさすべきじゃないか？」
『君はいいんだよ、別に悪くないんだから……ジャック達の遺体はね、酷かった。酷い上に、目の前で食われて持ち帰れなかった。後悔は無かったよ、ただでさえ手こずる奇行種５体を4人で倒したんだ。指示としては、最適だとエルヴィンも言ってた。後悔はしてない、でも悔しくはあったよ』
リヴァイ「…そうか」
『ファーランとイザベル、2人の遺体はちゃんと持ち帰ったよ』
リヴァイ「！？」
『ちゃんと此処に、皆と眠ってる』
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作者名：エリウ | 作成日時：2020年9月17日 21時
