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―Aside―


春「覚えていらっしゃいませんか??

  杏寿郎さん!!」



張り上げた春蘭の声から、若さと純粋さを感じる。


A「……」



少しの静寂の後、

この部屋の全ての視線が

杏寿郎に集中するのであった。



依然と困ったような表情をしたままである杏寿郎は、

ようやくその口を開いた。



杏「すまない!!!
 
  君とどこかでお会いしたことはあるだろうか!!

  俺は全く覚えていない!!」



春蘭の覇気に釣られたのか、

いつも以上の彼の大声に耳鳴りがした。




少々声量には驚いたものの、

これはよくある流れであった。




鬼殺隊の柱である彼は、

優先順位なく人の命を助けるので


助けられた側が一方的に覚えていることは

よくあることである。




ついこの間も命を助けられたという隠から

熱烈な好意を告白されていたところであった。




彼の恋愛事情はどうであれ、


誰かが彼を困らせるのであれば

私は女中として仲介をしなければならない。




とはいえ、

彼も随分とこの手の対処には慣れてしまっている。



いうまでもなく、

彼は昔と比べてモテる度合いが違う。



おまけに、彼自身が

大人の余裕を少しずつ確立していることは

自他ともに認知していた。




春「ひっ……」




しかし今回は、少し前例と異なるようで。


杏寿郎の言葉がマシガンのごとく

少女の心を貫いてしまったようで。




春蘭は、私の腕をすり抜けて

文字通り膝から崩れ落ちてしまった。



ものの数秒後、煉獄家の屋敷に

大きな泣き声が響き渡ったのは、

数年振りの出来事である。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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あいふぉん - 初めまして。とても素敵なお話で一気に読んでしまいました!!煉獄さんが本当にかっこよすぎて夢主が可愛すぎてっっ!!続き楽しみにしています!! (2021年10月5日 0時) (レス) id: 367ee183e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年8月27日 20時

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