7 ー杏寿郎sideー ページ9
ー 杏寿郎side ー
プンスカと分かりやすく怒りを露にする、
千寿郎に連れられて
Aを一人残したまま、
俺は台所を後にした。
杏「千寿郎、兄は説明が欲しい」
春風に包まれた渡り廊下まで来たところで、
まだ小さくて可愛い、彼の頭を見下げ
俺は我慢できずにそう言った。
千「はぁ」
ため息と共にその頭はくるりと回転し、
愛らしい弟の顔がこちらを向くのだった。
杏「?」
何か大切なことを言い出すものだと察し、
彼と目線が合うように
俺はいつものように膝をつくのだった。
千「兄上。
その…、あまりAさんを
困らせてはいけません。
もしAさんがこの屋敷を出ていく、
なんて言い出したらどうするのですか?」
杏「?」
未だ解せぬ、という表情の俺に
千寿郎は不満そうに続ける。
千「千は、Aさんに
ずっとここにいて欲しいです。
けれど、兄上はAさんとの距離を
上手に掴めていないように感じます。
そのことについては、
お父上からも
お言葉をいただいているのでは?」
千寿郎のAに対する想いは、
並々ならぬものだ。
彼が物心ついた頃にはもう既に彼女の存在があって、
そしてそれは母親に近しいものがある。
俺もそのことについては重々承知していた。
杏「うむ!
確かにAは非の付け所がない女中だ。
俺も彼女にはこの屋敷にできるだけ長く
勤めてもらいたい」
千寿郎のまだまだ小さい肩を
俺は両手で掴む。
杏「時に千寿郎。
俺とAのことだが、
俺は彼女に何か
取り返しのつかないことをしているだろうか。
千寿郎が言うように
確かに俺は父上から幾度かお叱りを受けている。
しかし、それが一体何のことかは
皆目見当もつかない !」
Aには、
常に優しく気遣っているつもりだった。
千「…」
半ば呆れたような、
それでいて心配そうな、
そんな弟の表情だった。
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まるまるもりもり(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» たしかにそうですね!そうすぎますね!!!!!書き直させていただきます!的確なご指摘本当にありがとうございます(TT) (2021年3月14日 11時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません・・・「エピローグ」の所、物語の最初なので「プロローグ」の方がいいんじゃ・・・(^_^;) (2021年3月14日 6時) (レス) id: ff085d1bee (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 凪子さん» 凪子さん、素敵なコメントありがとうございます^ ^ そうですよね!煉獄さんは身分差は気にしない素敵な人ですよね(*^^*) 凪子さんにもっと楽しんでいただけるように、頑張ります!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 衣世さん» 衣世さん^^コメントわざわざありがとうございます!とても嬉しいです(^-^)ハッピーエンドになるように頑張りますね!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 身分の差…煉獄さんは気にしないと思いたいです!展開を楽しみにしています(^^) (2021年3月13日 8時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年3月12日 20時