捌 ページ8
鶯丸side
「いつまでAを抱き締めているつもりだ、三日月」
俺自身ですら気付かんうちに、そう言っていた｡
「…何か問題あるか？」
「大有りだ。俺とてAと会うのは久しぶりなんだ｡
いつまでもお前に独占されては困る。いい加減Aを離せ」
俺としては、見ていてあまりいい気分ではない｡
Aを慕っているのは、何もお前だけではない、三日月｡
そんな意を込めて三日月を睨めば、漸くその腕からAを解放した｡
『その声は…鶯丸か？』
その声を聞くことが、どれほど久しぶりなことか。
「嗚呼。久しぶりだな、A」
『久しぶりだ、鶯丸｡
しかし…其方は相変わらず茶を飲んでいるんだな…』
「Aも飲むか？」
『今は構わん。また今度誘ってくれ』
「そうしよう」
こうして談笑しているだけで、千年前を思い出す｡
流石に時代が流れれば服装は変わるだろうが、その見た目自体はあの頃と何一つ変わっていない｡
俺に笑いかけるその笑顔ですら、昔のままの、穢れを知らないそれだ｡
あの頃は、いつまでも穢れを知らず、純粋無垢でいてくれ、と思っていたが｡
千年経った今でも、本当に穢れとは無関係の、純粋無垢でいてくれるとはな。思ってみるものだ｡
「それで、Aは何故ここに？」
『あぁ、政府にここの審神者になるよう言われてな』
「Aがここの審神者に…？」
『うむ。妾が、ここの審神者に』
「…それは、随分と嬉しいことだな」
『そうか？まぁ、妾も久しぶりに其方らと会えて嬉しいぞ』
心底嬉しいんだ、とでも言うように、破顔させてそう言ってくれるA｡
その笑顔ですら、酷く愛おしい｡
しかし、鶴丸ではないが、酷く驚いた｡
まさか、Aがここの審神者になってくれるとはな｡
あまりにも意外過ぎる、朗報中の朗報ではないか｡
こんのすけが新しい審神者が来ると言ってきたときは、とうとうその口を塞いでやろうかとも思ったが｡
それがAなら話は別だ｡
まぁ、周りの様子を伺う限り、こう思っているのはAと関わりのあった俺達ぐらいのようだが｡
だが、それならそれで別に構わん｡
必要以上に敵は作らない方がいい｡
ただでさえ、Aは
今ですら、互いを牽制し合ってるぐらいだ｡
俺達に…いや、俺にだけ、愛されていてくれ｡
千年前も今も、お前への気持ちだけは一切変わらん、A｡
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乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！私、愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月7日 21時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - 胡蝶蘭さん» 胡蝶蘭さん、感想とリクエスト有難うございます！お返事が遅くなりすみません…続編移行をした際に書かせて頂きますね！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶蘭 - 最後まで見ました！面白かったです！リクエストで、小烏丸と夢主の夫婦的行動みたいなのが見たいです！小烏丸が皆の父上なら平安組より前から生きてる夢主は母上なのではみたいな？（＞ｍ＜）☆ｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ (2019年8月26日 2時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 乱ってもしかして女の子の格好を禁止されてんなら女の子の服を持って土下座してでも「男の娘になってください！」って言うよ← (2019年5月1日 9時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩月 | 作成日時：2019年2月26日 3時
