陸 ページ6
No.side
鶴丸の案内の元、本丸の中を歩くA｡
もうAを手にかける気はないのか、一期も一緒だ｡
「ついさっきまで床やら壁やら柱やらそこら中に傷やら血があったんだがな…」
『妾が見る限りではそんなものは見当たらんぞ？』
「でも確かにあったんだ」
「鶴丸殿の仰る通り、貴方が来るまでは確かにありましたね」
『ふむ…。そこまで言うなら信じよう｡
2人が嘘をつくとは思えんからな』
「あぁ。そうしてくれ」
そうして本丸の中を進む3人の元に、1匹の小さな仔虎がやってきた｡
その仔虎は、Aの足元に擦り寄っている｡
『お？仔虎か』
「この虎は…」
「五虎退の虎、ですな…」
『五虎退？』
「一期の弟だ」
『ほう。其方、弟がいるんだな』
「えぇ、まぁ…」
一期の歯切れの悪い返事に、内心首を傾げるA｡
けれど深く聞くつもりは無いのか、特に突っ込む様子もない｡
Aは足元の仔虎を抱き上げると、仔虎はAの頬を舐めた｡
『これ、擽ったい…っ』
「随分と懐いてるみたいだな」
「前任にはあれ程懐かなかったというのに…」
『にしても…可愛いのう…』
恍惚な表情を浮かべながら、抱き抱えている仔虎を見つめるA｡
その手は、仔虎の顎の下を撫でている｡
するとどうだろうか｡
仔虎は喉を鳴らして鳴いた｡
『仔虎と言えどネコ科だからもしや…とは思ったが、本当に鳴いてくれるとはな』
愛いなぁ、と言いながら仔虎と戯れるA｡
そして、そんなAを見て悶えている者が1人｡
「…如何致しましたか…鶴丸殿……」
「いや…そのな…仔虎と戯れているAがあまりにも可愛すぎてだな………」
「馬鹿ですか貴方は」
「弟馬鹿の一期にだけは言われたくないな」
「弟馬鹿とは失礼な。私はただ弟達を目一杯可愛がっているだけです」
「それを弟馬鹿と言うんだが」
『鶴丸、一期一振、何を話しておるんだ？』
「いや、なんでもないさ。なぁ？一期」
「えぇ、なんでもありませんよ」
『そうか？』
「あぁ」
2人の間で小声で交わされる何かに気付いて、そう声をかけたA｡
結局、うまい具合にはぐらかされてしまったが｡
「お、着いたな」
『鶴丸、ここは？』
「ここは大広間だ。今ならこの本丸にいる全員が集まってる筈だ。と言っても、動けるやつだけだがな」
『そうか…』
そんな会話を交わしながら大広間の襖を開けた、その先には＿＿＿｡
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乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！私、愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月7日 21時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - 胡蝶蘭さん» 胡蝶蘭さん、感想とリクエスト有難うございます！お返事が遅くなりすみません…続編移行をした際に書かせて頂きますね！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶蘭 - 最後まで見ました！面白かったです！リクエストで、小烏丸と夢主の夫婦的行動みたいなのが見たいです！小烏丸が皆の父上なら平安組より前から生きてる夢主は母上なのではみたいな？（＞ｍ＜）☆ｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ (2019年8月26日 2時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 乱ってもしかして女の子の格好を禁止されてんなら女の子の服を持って土下座してでも「男の娘になってください！」って言うよ← (2019年5月1日 9時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩月 | 作成日時：2019年2月26日 3時
