肆拾肆 ページ45
No.side
時の政府へ赴くべく、転移装置の前に立つ者が一人｡
そこから少しばかり離れた場所で、聞こえない様に言葉を交わす者が二人｡
「…おい貞、何故俺まで」
「まあまあいいじゃねぇか。伽羅もあの人間の事気になってただろ？」
「………」
太鼓鐘のその問い掛けに、大倶利伽羅は答えない｡
それを肯定と捉えたのか、太鼓鐘が次を言うべく口を開こうとした瞬間､
『…はて。政府へは、どうやって行くのじゃ？』
彼女のそんな声が、二人の耳に届いた｡
流石のこれには二人も毒気を抜かれたらしく、会話を切り上げ彼女の元へ近寄った｡
「A、装置の使い方知らねぇのか？」
『いや…説明されたのは覚えておるのだが……どうにも分からなくてのう…』
「…まさかあんた、機械に弱いのか？」
『嗚呼…永く生きておるが、機械だけは相性が悪くての…｡
妾は説明通りにしているつもりなのだが、気が付けば壊している事が多くてな…』
彼女のその説明に、二人は青い顔を浮かべる｡
それと同時に、二人は同じ事を思い浮かべた｡
“ 彼女に転移装置を触らせてはならない ” と｡
「…A、これからはもう装置には触らないでくれ…｡
それが壊れれば俺達は政府から認識されなくなるんだ…」
「転移装置には、本丸の座標が組み込んであるからな｡
それが壊れれば座標が狂って認識されなくなる」
『そ、その様な大事になるのか…｡
うむ、分かった。肝に銘じておこう』
二人の説明に、自身が触れば取り返しのつかない事になると悟ったのか、彼女は砂利の音を鳴らしながら転移装置から一歩後ずさった｡
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
あの後、太鼓鐘が転移装置を起動させ、三人は無事に時の政府へ来る事が出来た｡
が、彼女はどうやら時の政府内の事も疎いらしかった｡
『歴史管理課は何処じゃ…』
「それならこっちだぜ、A」
『おお、
「これぐらいなら大した事ないぜ｡
しっかし…一人で来てたら今頃どうなってただろうなぁ…」
『むぅ…意地の悪い…』
「それぐらいにしてやれ、貞」
「伽羅が言うなら仕方ねぇや｡
にしても、なんでまた政府に来ようとしたんだ？」
『嗚呼、仕事の書類を提出しようと思ってのう』
「…抱えてる茶封筒の事か」
『うむ』
大倶利伽羅の視線の先には、彼女の腕に抱えられている分厚い一つの茶封筒｡
その中身は、彼等にとって重要な書類であった｡
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乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！私、愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月7日 21時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - 胡蝶蘭さん» 胡蝶蘭さん、感想とリクエスト有難うございます！お返事が遅くなりすみません…続編移行をした際に書かせて頂きますね！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶蘭 - 最後まで見ました！面白かったです！リクエストで、小烏丸と夢主の夫婦的行動みたいなのが見たいです！小烏丸が皆の父上なら平安組より前から生きてる夢主は母上なのではみたいな？（＞ｍ＜）☆ｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ (2019年8月26日 2時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 乱ってもしかして女の子の格好を禁止されてんなら女の子の服を持って土下座してでも「男の娘になってください！」って言うよ← (2019年5月1日 9時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩月 | 作成日時：2019年2月26日 3時
