肆 ページ4
No.side
「鶴丸殿、そちらの方は…」
2人の再会を傍観していた一期が、ふいに鶴丸にそう切り出した｡
「あぁ、こいつか？こいつはAだ」
「いえ、名前は先程本人から聞きました｡
鶴丸殿とそちらの方はどういった関係で？」
「関係か？」
『ふむ…旧友、といったところか？』
「恐らくそうだろうな」
Aと鶴丸が互いを旧友と言ったことに、一期は驚きが隠せないでいる｡
何故たかが人間風情と、付喪神が旧知の仲なのか、と｡
『随分と怪訝な顔をするもんだな。一期一振』
「不老の人間なんて君ぐらいだからな」
『はて、そうか？』
「そうだ」
『むむ…』
納得がいかない、といった様子で彼女は唸り声をあげるが、鶴丸に軽くあしらわれてしまった｡
「…鶴丸殿は、彼女を異端とは、思わんのですか」
「思わんな。そりゃ最初は驚きはしたさ｡
だが、数十年一緒にいて、その容姿は何1つ変わらなかったんだ｡
信じるしかないだろう」
昔はここまではっきりと分かるほど神気を宿してはいなかったが、という言葉は、鶴丸の口から出る前に飲み込まれた｡
『というか、妾からしたら鶴丸は童だぞ』
「は……？」
「おいおい、童扱いはよしてくれよ｡
高々百年二百年の差だろう？
それに見た目だけなら君の方が童だ」
『人が気にしていることを言いおって…。
仕方がなかろう。体は十八のままだ』
一期の素知らぬところで話が進んでいく｡
ついていけないのは一期だけだ｡
『一期一振、随分と困惑顔のようだが…どうかしたか？』
「…貴方がそうさせているんですよ」
『妾が？』
「ま、普通は驚くか｡
Aは俺よりも早くに生まれているからな」
鶴丸のその一言を聞いて、困惑顔に加えて怪訝顔も浮かぶ一期｡
『まぁ、妾のことはあまり深く考えん方がよいぞ｡
妾は紛うことなき人間だが、人間から逸脱した存在であることは自覚があるからな』
「…そういうことにしましょう」
「それで、Aは何故此処に？」
『政府にこの本丸の審神者になるよう言われてな』
「………こりゃ驚いた。君が新しい審神者だったとはな」
淡々と伝えられたその事実に、意表を突かれた様子の鶴丸｡
『なっ……！降ろせ！』
一瞬のうちに彼女を片腕に抱えて抱き上げた鶴丸は、自身の視線の上にある、鶴丸の肩に手を置いている彼女の顔を間近で見つめて言い放った｡
「俺を童扱いした罰だ｡
俺は君を歓迎するぜ、A」
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乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！私、愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月7日 21時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - 胡蝶蘭さん» 胡蝶蘭さん、感想とリクエスト有難うございます！お返事が遅くなりすみません…続編移行をした際に書かせて頂きますね！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶蘭 - 最後まで見ました！面白かったです！リクエストで、小烏丸と夢主の夫婦的行動みたいなのが見たいです！小烏丸が皆の父上なら平安組より前から生きてる夢主は母上なのではみたいな？（＞ｍ＜）☆ｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ (2019年8月26日 2時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 乱ってもしかして女の子の格好を禁止されてんなら女の子の服を持って土下座してでも「男の娘になってください！」って言うよ← (2019年5月1日 9時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩月 | 作成日時：2019年2月26日 3時
