参拾 ページ30
加州side
『本当に良かったのか…？』
「いいよ。俺が誘ったんだし」
「僕とは初めましてだね」
『嗚呼、そのようだな。妾はAだ』
「僕は大和守安定。貴方の話は皆から聞いてるよ。名前で呼んだ方がいいんだよね」
『嗚呼。名前で呼んでもらえると助かる』
堀川から言伝を聞いて、俺は何を思ったか、一緒に万屋に行こう、とこの人を誘った｡
多分、単なる好奇心だったと思う｡
本人は最初は渋っていたけれど、その理由は自分が俺の嫌う人間だから、というものだったらしい｡
俺が誘ってるんだから変に遠慮しなくて良かったのに｡
にしても、ここに来るまでが本当に大変だった｡
彼女は俺がいいならとすぐに折れてくれたけれど、その後が面倒だった｡
「は？加州と大和守と一緒に万屋へ行く？」
『嗚呼』
出かける直前に鶴丸と鉢合わせて、事情を聞かれた彼女が素直に答えた後の鶴丸の第一声があれ｡
…平安の人達とは鉢合わせたくなかった、本当｡
「俺も一緒に行く」
「いや、鶴丸は来なくていいよ」
「お前達にAは任せられない」
『妾は大丈夫だぞ？それに、元は加州と大和守の2人で行ってもらおうと思っていた。妾はそこに誘われただけだ』
「そうは言うが…」
『なら、今度2人で出かけるか？』
「…いいのか？」
『嗚呼。鶴丸さえ良ければ、だがな』
「…分かった。今回は諦めよう」
『有難うな、鶴丸。行きたい所を考えておいてくれ』
「嗚呼」
そうして折れたのは鶴丸の方｡
彼女は気付いていない様だったけれど、鶴丸のあれはただの独占欲｡
鶴丸でああならば、他も大差はないと思う｡
安定伝いに聞いてはいたけれど、平安の人達が彼女に随分と執着していることを改めて感じた｡
『ところで、どんな物を買うのかは決めているのか？』
「いや、色が赤ってことぐらいしか決めてない。あとは安定と一緒に探そうかなって」
『そうか。…しかし、ここは随分と広いんだな』
「審神者や刀剣男士御用達の店が万屋だからね」
「あんまり遠くまで行かないでね、Aさん万屋に慣れてないだろうし」
『嗚呼、そうしよう。大和守の言う通りここに来るのは初めてだからな』
各地にいる審神者や刀剣男士が1箇所に集う場所だからか、万屋は随分と広く作られている｡
その分、店の数も多いんだけど｡
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乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！私、愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月7日 21時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - 胡蝶蘭さん» 胡蝶蘭さん、感想とリクエスト有難うございます！お返事が遅くなりすみません…続編移行をした際に書かせて頂きますね！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶蘭 - 最後まで見ました！面白かったです！リクエストで、小烏丸と夢主の夫婦的行動みたいなのが見たいです！小烏丸が皆の父上なら平安組より前から生きてる夢主は母上なのではみたいな？（＞ｍ＜）☆ｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ (2019年8月26日 2時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 乱ってもしかして女の子の格好を禁止されてんなら女の子の服を持って土下座してでも「男の娘になってください！」って言うよ← (2019年5月1日 9時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩月 | 作成日時：2019年2月26日 3時
