参 ページ3
鶴丸side
こんのすけから新しい審神者が来ると伝えられた時、1番にまたか、と思った｡
正直もう辟易していた｡
俺達はまだこの世に顕現していなければいけないのか、と｡
だから誰が審神者を手にかけるか、という話になった時も、俺は一切話に入る気はなかった｡
どうせ俺がやらなくても、他の誰かがやってくれるんだ｡
今はそれに甘えよう｡
そうして決まった一期が、新しい審神者が来る頃を見計らい大広間から出て暫くして｡
この本丸にいる者ではない気配を感じた｡
初めは新しい審神者が来たのか、としか考えなかったが｡
だが、それは違った｡
その気配は、俺の知っているものだった｡
酷く懐かしくて、酷く愛おしい｡
俺がこう思える相手は、後にも先にもただ1人だけだった｡
そこからの俺の行動は早かった｡
急いで大広間から出て、その気配の元へひた走る｡
途中ですれ違った光坊に「鶴さん！？」と驚かれたが、そんなものを気にしている余裕なんてない｡
そうして走って着いた場所は、当たり前といえば当たり前だが、本丸の門だった｡
そこに、あの子の姿を見つけた｡
此方に背を向けている一期の、目の前に｡
千年前と服装は違えども、その見た目は千年前と全く同じ｡
「A！！！」
俺は気が付けば、あの子の名を叫ぶように呼んでいた｡
あの子が、Aが俺に気付いた時には、俺はもう彼女に飛びつくようにして抱きついていた｡
『わ………っ！！』
「会いたかった……！」
『つ、鶴丸？』
「あぁ、俺だ。…覚えてくれて、いたんだな…」
『当たり前だ。妾が其方のことを忘れるわけがないだろう』
彼女にとっては、至極当然のことなのだろう｡
けれど、俺にとってはそうじゃない｡
彼女のたった一言。俺はそれが酷く嬉しい｡
『それにしても…久しぶりやのう、鶴丸』
「嗚呼…随分と久しぶりだ…。
Aは…変わってないな…」
『そうか？鶴丸が言うならそうなのだろうな｡
だが、そういうお主も昔と変わっとらん』
そう言って、俺に笑いかけるA｡
その笑みですら、随分と久しぶりのそれ｡
Aは
だが、それだけだ｡
けれど、今は違う｡
こうして人の身を得て、触れることが出来る｡
俺は千年前のあの日から、Aに触れることを、ずっと焦がれていたんだ｡
この世に顕現されて良かったと、初めて心から思えた｡
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乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！私、愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月7日 21時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - 胡蝶蘭さん» 胡蝶蘭さん、感想とリクエスト有難うございます！お返事が遅くなりすみません…続編移行をした際に書かせて頂きますね！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶蘭 - 最後まで見ました！面白かったです！リクエストで、小烏丸と夢主の夫婦的行動みたいなのが見たいです！小烏丸が皆の父上なら平安組より前から生きてる夢主は母上なのではみたいな？（＞ｍ＜）☆ｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ (2019年8月26日 2時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 乱ってもしかして女の子の格好を禁止されてんなら女の子の服を持って土下座してでも「男の娘になってください！」って言うよ← (2019年5月1日 9時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩月 | 作成日時：2019年2月26日 3時
