拾玖 ページ19
燭台切side
『其方の手、借りてもよいか？』
伽羅ちゃんと貞ちゃんの手入れが終わった後、僕にそう声をかけた彼女｡
ちなみにだけど、伽羅ちゃんと貞ちゃんは怪我の疲労からか、今は眠っている｡
「何の為に」
『其方の怪我を治すために決まっておろう。先の2人より軽いとはいえ、其方も怪我をしておることに変わりはないだろう？』
…正直言って、甘く見ていたと思う｡
僕は怪我のことは言った覚えはない｡
なのにこうして見透かされている｡
「…いつから気付いていたの」
『最初から｡
……と言いたいところだが、実はな、ここに来る途中鶴丸から聞いておったんだ』
拍子抜けした。身構えた僕が馬鹿だった｡
「光坊も手入れを受けてはくれないか？」
「鶴さんがどうしてもって言うなら…」
「なら決まりだな。頼んだぜ、A」
『うむ、頼まれた』
「君なぁ…」
そんなやり取りをして、笑い合う彼女と鶴さん｡
僕も一応鶴さんとは昔馴染みにはなるけれど、それでも、鶴さんのそんな表情は見たことがなかった｡
『それじゃあ、失礼するぞ』
「少しでも変なことをすれば『斬る、であろう？』…分かってるんだ。ならいいけど」
『言うておくが、妾は武器は持っとらん。要は丸腰じゃ』
それはつまり、いつでも貴女に斬りかかれる、ということか｡
もっと言えば、安易にその命を奪うことができる、と｡
まぁ、そんなことしたくても出来そうにもないけどね｡
本当にしたかったら既に事を起こしているだろうし、何より､
僕が鶴さんに殺されかねない｡
物理的な意味でも、精神的な意味でも｡
手入れを受けた感想としては、一言で言うなら不思議｡
霊力でもなければ、神力でもない｡
どっちつかずの、けれど酷く澄んだ気を、彼女から感じた｡
「君は一体…」
『嗚呼、まだ名乗っていなかったな｡
妾はAじゃ。其方は？』
「僕は…燭台切光忠」
『燭台切か』
「出来れば銘の方で呼んで欲しいんだけど…」
『銘？光忠か？』
「うん」
理由は僕自身も分からないけれど、不思議と、彼女に銘で呼ばれて、嫌な気はしなかった｡
「光坊もAに絆されたみたいだな」
「別にそんなことは…」
『…ずっと気になっておったんだが、其方らは何処で知り合ったんだ？』
「嗚呼、俺達の共通の元の主が伊達正宗公でな。そこで、だ」
『伊達政宗…？かの仙台藩初代藩主のか？』
「君、政宗公を知ってるの？」
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乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！私、愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月7日 21時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
詩月(プロフ) - 胡蝶蘭さん» 胡蝶蘭さん、感想とリクエスト有難うございます！お返事が遅くなりすみません…続編移行をした際に書かせて頂きますね！ (2019年9月16日 7時) (レス) id: 47903b2cc4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶蘭 - 最後まで見ました！面白かったです！リクエストで、小烏丸と夢主の夫婦的行動みたいなのが見たいです！小烏丸が皆の父上なら平安組より前から生きてる夢主は母上なのではみたいな？（＞ｍ＜）☆ｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ (2019年8月26日 2時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2019年5月27日 23時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 乱ってもしかして女の子の格好を禁止されてんなら女の子の服を持って土下座してでも「男の娘になってください！」って言うよ← (2019年5月1日 9時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩月 | 作成日時：2019年2月26日 3時
