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番外編☆1 ページ36



中山さんsideでお送りします。


















「俺、あいつのこと好きかも。」









そう言って照れくさく笑う太輔を、見ていられなかった。









「そ、そうなの?太輔が誰かを好きになった話、初めて聞いた。」








精一杯の作り笑顔で何とか言葉を繋ぐ私に、太輔は気づいていたかな。




きっと、気づいてないんだろうな。







「俺も、気づいたら好きって感じだったんだよね。」








こんな状況になっても、席を立てないのは

まだ太輔のことが好きだから。



これ以上の話なんて聞きたくないのに

頭で思ってることと体が矛盾してる。









「…あ、中山には言ってなかったんだけどさ」






「なに?」





「俺、海外プロジェクトメンバーに選ばれて、来年からしばらく異動になる。」






「え、まって、そんなの聞いてない。」





「ごめんごめん、あんまり広めたくなくてさ。」





「うそでしょ、嫌だよ」





「なんだよそんな顔すんなよ笑
お前は俺がいなくてももう十分立派に仕事こなしてんだからさ、自信持て。」






太輔は私に優しく笑いかけて、どこかへ行ってしまった。





私はもう十分すぎるくらい傷ついてたのに

こんな追い討ちあんまりでしょ。

涙で視界が霞んできて慌ててトイレへ駆け込む。









「……っ」






息を殺して泣くのはすごく苦しかった。


太輔の気持ちが手に入らないのなら、せめて傍にいるだけの存在でも私は満足だったんだよ。






神様はどうしてこんなにいじわるなんだろう。









そういえば、太輔はずっと海外プロジェクトに憧れてたな。



それなのに私は、おめでとうの一言も言えずに自分のことばかりだった。






「…最低だなぁ、」









私は泣きながら、スマホを開く。






『太輔、海外プロジェクトのことおめでとう。頑張ってね。』









これが私の精一杯だった。

今更、「好き」なんて伝えられなかった。


私にとって太輔は、失いたくない存在だったから。

これからもずっと、「同期」のままで、いたい。
これだけは、許して…。









『ありがとう。中山には感謝してる。』









「…………太輔っ、」









最後まで、優しくてかっこよくて









太輔を好きになってよかったって、思わせてくれた。









ありがとう。





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設定タグ:キスマイ , 藤ヶ谷太輔 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時

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