缶コーヒー ページ4
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時計が12時を過ぎ、お昼休憩の時間になった。
「ねえねえ、一緒にお昼食べない?」
そう声をかけてくれたのはショートカットのボーイッシュな女の人だった。
「はい!ぜひ…!」
初日で誰かとお昼ご飯を食べられるなんて思ってもみなかった私は、とても嬉しかった。
「相良さん見た瞬間、あ、この子と仲良くなりたいなって私思ったの!!同い年だし。せなって呼んでね。」
すぐに打ち解けて仲良くなった子は、川崎星那と言って、すごく明るいいい子だった。
「うれしい、、私、まだ友達一人もいなくて、、」
そう言うと、星那は笑って私の肩をバシバシとたたく。
「じゃっ、私がAの友達第1号だねー!」
せなと話しているのがとても楽しくて、1日目のお昼休憩はあっという間に過ぎていった。
「でもさ、A、よくこの部屋まで1人で来れたよね、分かりづらくなかった?」
営業部はビルの中でも上の方の階で、しかも迷路みたいな通路の1番突き当たりにある。
「あ、藤ヶ谷さんが案内してくれたの、来て早々ぶつかっちゃって。笑」
そう言って笑っていると、星那はニタリと笑みを浮かべた。
「藤ヶ谷先輩めちゃくちゃイケメンだと思わなかった?この会社の女子、1度は必ず藤ヶ谷先輩のこと好きになるっていう伝説あるくらいなんだよ。」
その言葉にやっぱりか!と私は納得しまくった。
伝説にまでなるほどのイケメン。
同じ部署にいるなんてラッキーにも程があるじゃん……!
「思った。それはすごい…この出会いに感謝しないと!」
そう言って、なんだか気分が良くなってしまった私は、お礼に藤ヶ谷先輩に缶コーヒーを買っていくことにした。
そしてなぜか星那にまで友達記念日という謎の記念日のプレゼントとしてミルクティーを買ってあげた。
部屋に戻ると、藤ヶ谷先輩はデスクでスマホを触っているのが見えた。
「藤ヶ谷先輩、今日の朝はありがとうございました!
あの、良ければこれ、ブラック好きですか?」
藤ヶ谷先輩はキョトンとした目で反応し、
「え、まじ?いいの?ブラック飲みたい気分だったんだよね。ありがとう。」
そんな嬉しすぎるセリフをサラッと言って、私に笑顔を向けた。
ほんとにかっこいいなあ……。とつくづく実感させられてしまう。
こうして、1日目が終わった。
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時