告白 ページ30
・
そわそわしているうちにあっという間に日は暮れて
オフィスには私と藤ヶ谷さんだけになった。
「つかれてきたな。ちょっと休憩。」
藤ヶ谷さんは私の肩をポンっと叩くと、立ち上がって伸びをした。
「肩でも叩きましょうか?」
「えっいいの?じゃあお言葉に甘えようかな。」
そう言うと素直に私の前に腰を下ろす。
同時にふわっと藤ヶ谷さんの香りがした。
「…だいぶ凝ってますよ。」
「まじ?笑
最近ずっとパソコンばっかり見てたからかな。」
気持ちよさそうな甘ったるい声に思わずドキドキしてしまう。
私が藤ヶ谷さんの彼女だったら、どんなに幸せなんだろう。
毎日、この人の声が聞けて、笑顔が見れたらどんなことも頑張れそうだ。
なんて妄想していたら、
私は今日の目的をようやく思い出した。
・
伝えないと。
今日を逃してしまったら言えない気がした。
正直、前にも後ろにも進みたくない。
でも、このままじゃだめなんだ。
不意に今までの思い出が頭に浮かぶ。
私を幸せな気持ちにしたのも、辛い気持ちにしたのも、考えてみれば全部藤ヶ谷さんだった。
辛いことがあっても、藤ヶ谷さんが励ましてくれれば頑張れたし
楽しいことがあっても、藤ヶ谷さんと距離を感じていた時は辛いだけだった。
本当にすごく好きだったな…。
伝えれば終わる。
そう思うと胸の奥が苦しくて
近くにいる人の心が自分の手に届かないことが悔しくて
気づけば私は、涙が零れそうになるのを必死に我慢していた。
・
・
「……藤ヶ谷さん。」
「…んー?」
「眠いですか?」
「うん少し。Aのマッサージすごい気持ちいい。」
「…よかったです。」
私は手の動きを止めた。
藤ヶ谷さんの肩からそっと、手を離す。
「あの…聞いて欲しいことがあって。」
鼓動がどんどん早くなっていく。
私は大きく息を吸って深呼吸した。
「…うん?」
相変わらず優しい声で返事をする藤ヶ谷さんの背が少しぼやけて見える。
「……、」
・
・
私はそっと、藤ヶ谷さんの背を抱きしめた。
想いが伝わるように、すごく優しく。
・
「……私、」
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時