北山side ページ28
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Aと別れた帰り道、なぜが涙が流れてきた。
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俺が泣いてるなんて、信じられない。
「……くっそ。」
同じ部署で働けるってなったばかりなのに、俺は馬鹿だ。
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そう思っても、あんなに泣いてたAが笑ってくれたのが嬉しくて、
さっきの出来事を思い出すと、嬉しいのか悲しいのか訳が分からない気持ちになった。
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初めてAに会ったのは会社の新人研修の時。
「え、えっと、営業部の相良です…!
よろしくお願いします。」
やたらとあたふたしてて、俺の表情を伺いながら自己紹介して来たのを覚えてる。
一目惚れだった。
Aの雰囲気とか、話し方とか、
自分では気づいていないだろうけど
本当にたくさんの魅力を持ってる。
俺はもっと、Aのことが知りたいと思った。
でも、知れば知るほど、Aの目線の先にいる人に気づいてしまった。
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あいつはいつもいつも、藤ヶ谷ばかり目で追ってた。
あの日も、
コーヒーを持ったまま立ち尽くしてるAの目線の先に、藤ヶ谷と中山がいたことも気づいていた。
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やめとけ。なんて言えなかったんだ。
まだ藤ヶ谷から聞かされてないんだろう。
ただ、純粋に藤ヶ谷のことを好きでいるAを見てるのが、俺も辛かった。
「……おい。」
「……あ、北山さん。」
だったら俺が振り向かせてみせればいい。
藤ヶ谷を忘れるくらい、俺でいっぱいにしてやればいい。
そう思った。
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でも、無理だった。
辛そうなAを、元気づけることしか俺にはできない。
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藤ヶ谷もきっとAに惚れてる。
俺とAを引き離そうとする藤ヶ谷がわかり易すぎて。
あまり惚れやすくないあいつまで、まさかとは思ったけど本当らしい。
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だからはやく、あのことを打ち明けるべきなんだよ。
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時