手伝い ページ22
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「……こ、これ全部運ぶんですか?」
「おー、そうなんだよ。割と捨ててこれよ。」
「すごいですね…努力を感じます。」
「はは。笑」
私は北山さんに連れられて資料室に入った。
そこには2人でも運びきれないほど大量のダンボールが置いてある。
「とりあえず、このでっけえやつ先に運ぶわ。」
1番重そうなダンボールをひょいっと担ぎあげた北山さんを見て、慌てて扉を開ける。
「じゃ、私はこれ持っていきます!!」
私も気合を入れて大きめのダンボールをチョイスしてしまった。
だんだん遠ざかっていく北山さん。
「……はあ。」
意外と重くて、何回か置きながらじゃないと運べない。
結構ハードな仕事に任命してくれたもんだ。
「……よしっ。」
もう一度ダンボールを持ち直して再び運び始める。
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すると急にダンボールの重みが一気に軽くなった。
きっと北山さんが戻ってきて持ってくれんだろう。
「あ!すみません、ありがとうございます!」
そう言って横から覗いて見ると、
向かい側にいるのはまさかの藤ヶ谷さんだった。
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「えっ、藤ヶ谷さん…」
「大丈夫か?重いでしょ。貸して。」
ダンボールを私から取り上げると、藤ヶ谷さんは涼しそうな顔で私に話しかけてきた。
「ちっこいダンボールがゆらゆら揺れながらこっち来るから何かと思った。笑」
ああ、かっこいいなあ。
思わずまた見とれちゃう。
っていけない。さっきの出来事を忘れたのか私は。
少し優しくされただけでさっきの辛さ忘れちゃうなんて。
また藤ヶ谷沼に浸かってしまいそうだ。
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1人でぶるぶる頭を振ってたら向こうから北山さんが戻ってきた。
「あっれ!藤ヶ谷じゃん」
「お前さ、Aをこき使ってんなよ。」
「悪い悪い!だってこれから一緒に働くわけだしさ。仲良くなりたくて。」
「……。それもそうだな。」
何も気にしないようにケタケタ笑う北山さんをよそに、藤ヶ谷さんはすごく切なそうな表情をした。
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どうしたんだろう。
不思議には思ったけど、それほど気にはしなかった。
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っていうか藤ヶ谷さん、私の事今Aって。
呼んだよね?
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時