検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:74,230 hit

後悔 ページ15










気づいた頃には、少し日が差してきていた。
よっぽど疲れていたのか1度も起きることなくぐっすりと眠れた。









「ん……6時か……」









軽くなった体を起こして、リビングに向かう。
ソファには、まだ横になっている藤ヶ谷さんが見えた。






…昨日、残りの仕事をあの後してたんだ。
パソコンや資料が、机の端に揃えておいてある。









私は自然に藤ヶ谷さんの傍に寄り、その寝顔に見とれてしまう。
本当に綺麗だった。







手を伸ばせば届きそうな距離にいるのに、ただの先輩と後輩である私たちの関係は、その先の欲求を満たしてくれない。








私なんかが、藤ヶ谷さんのことを好きになっても叶わうわけない。
そう思っても、鼓動が私の気持ちを悟るように早く脈打っている。
























私は、無意識に顔を近づけていた。


























もっと、もっと特別な存在になれたらいいのに。
藤ヶ谷さんの笑顔を独り占めできたらいいのに。
そんな気持ちが、私を掻き立てる。



まだ、出会って1ヶ月も経っていないうちに、私の感情は思っていたよりもヒートアップしていたことに今更気づく。もう遅いのに。























私は自分の感情のまま、とうとう眠っている藤ヶ谷さんに唇を重ねてしまった。






















小さく小さくその部分だけ熱を持つ。
こんなに切ない気持ちになるキスは初めてだった。









しばらくして、そっと唇を離した。
私、なんてことをしてるんだろう。
我に返って、募るのは後悔ばかりだった。
















「……。」














唇を離してから数秒して、藤ヶ谷さんはうっすらと目を開け、視線を向けた。













じっと私を見つめる。その目は、忘れることができないほど寂しげな目をしていた。















……嘘、気づかれた?















鼓動が加速して、一気に体温が上がる。



















ただ、見つめ合ったまま、時間だけが過ぎていく。














「…………A。」














藤ヶ谷さんが、少し掠れた低い声で私の名前を呼ぶ。









次に何を言われるのか、私はただ黙って、藤ヶ谷さんの目を見ることしか出来なかった。

距離→←マンション



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (133 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
282人がお気に入り
設定タグ:キスマイ , 藤ヶ谷太輔 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。