後悔 ページ15
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気づいた頃には、少し日が差してきていた。
よっぽど疲れていたのか1度も起きることなくぐっすりと眠れた。
「ん……6時か……」
軽くなった体を起こして、リビングに向かう。
ソファには、まだ横になっている藤ヶ谷さんが見えた。
…昨日、残りの仕事をあの後してたんだ。
パソコンや資料が、机の端に揃えておいてある。
私は自然に藤ヶ谷さんの傍に寄り、その寝顔に見とれてしまう。
本当に綺麗だった。
手を伸ばせば届きそうな距離にいるのに、ただの先輩と後輩である私たちの関係は、その先の欲求を満たしてくれない。
私なんかが、藤ヶ谷さんのことを好きになっても叶わうわけない。
そう思っても、鼓動が私の気持ちを悟るように早く脈打っている。
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私は、無意識に顔を近づけていた。
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もっと、もっと特別な存在になれたらいいのに。
藤ヶ谷さんの笑顔を独り占めできたらいいのに。
そんな気持ちが、私を掻き立てる。
まだ、出会って1ヶ月も経っていないうちに、私の感情は思っていたよりもヒートアップしていたことに今更気づく。もう遅いのに。
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私は自分の感情のまま、とうとう眠っている藤ヶ谷さんに唇を重ねてしまった。
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小さく小さくその部分だけ熱を持つ。
こんなに切ない気持ちになるキスは初めてだった。
しばらくして、そっと唇を離した。
私、なんてことをしてるんだろう。
我に返って、募るのは後悔ばかりだった。
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「……。」
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唇を離してから数秒して、藤ヶ谷さんはうっすらと目を開け、視線を向けた。
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じっと私を見つめる。その目は、忘れることができないほど寂しげな目をしていた。
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……嘘、気づかれた?
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鼓動が加速して、一気に体温が上がる。
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ただ、見つめ合ったまま、時間だけが過ぎていく。
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「…………A。」
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藤ヶ谷さんが、少し掠れた低い声で私の名前を呼ぶ。
次に何を言われるのか、私はただ黙って、藤ヶ谷さんの目を見ることしか出来なかった。
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時