マンション ページ14
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「歩ける?」
何も言わなくても、藤ヶ谷さんは自然に肩を貸してくれた。
私の荷物も全部持ってくれてる。
そんな優しいところも、全部好きだと思ってしまう。
「…藤ヶ谷さんの後輩になれて嬉しいです。」
「何だよ改まって。笑
熱で頭おかしくなっちゃった?」
そう言って、笑った藤ヶ谷さんの顔を見たら、また胸がキュッてした。
家に着いてからも至れり尽くせりで、私にたくさん優しくしてくれる。
家の雰囲気も落ち着いていて、すごく居心地がいい。頭痛もだいぶ和らいで楽になってきた。
「シャワーあびる?」
「はい、今少し落ち着いてるので。」
「俺も一緒に入っていい?」
「だめです。」
「あれ、もう気は確かなの?笑」
「とっくにです!!」
「はは、そんな怒んなってー笑」
そんなやりとりをしながら、藤ヶ谷さんと夢みたいに幸せな時間を過ごした。
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シャワーを浴びて市販の風邪薬を飲ませてもらった。
「今日は俺ソファで寝るから、Aはベッドでゆっくりしな。」
「今日は本当にお世話になって申し訳ないです……。」
「いいよ気にしなくて。俺の大事な後輩だからな。」
そう言うと藤ヶ谷さんは、私にポカリを渡して、部屋の電気を消した。
藤ヶ谷さんのいい匂いに包まれていることにドキドキして、なかなか寝付けない。
今日1日、夢みたいな時を過ごしたのに、藤ヶ谷さんのさっきの言葉がどうしてもつっかかっていた。
藤ヶ谷さんが私に優しくするのも
やっぱり、私はただの「大事な後輩」だからなんだ。
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*゚∀゚*)続きもよろしくお願いします!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな?と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…!ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀`) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nanami | 作成日時:2020年1月12日 23時