誘惑の花束 【神谷浩史 】

全てをさらけ出す ページ27

神谷)A…今までごめん…


A)神谷さん…。


櫻井)浩史…やっと理解してくれたんだな…


神谷)俺は間違っていたんだ…


A)もういいです。私、気にしてませんから…。それより、私は孝宏さんと神谷さんが仲直りして良かった…。


櫻井)A…。な、浩史…これからのこと一緒に考えようぜ。


神谷)そのつもりだよ。もう、傷つけたくないんだ…。


A)…でも、私の過去がバレたのは一体…


神谷)俺は何もしていない。したとすれば、1人だけ心当たりがあるんだ。


櫻井)…木村くんだな。


神谷)あいつも、Aが好きなんだ…。Aを手に入れられるならなんでもする人間だ。


A)…なんか、私…悪い人…。


櫻井)違う。Aはなんも悪くない。気づかないのは当たり前だ。


A)……。でも相手からしたら私が悪いんだろうな…。


櫻井)A…。


神谷)もうそんな考え方はやめよう。今はAが復帰した時のことを考えないと。


A)もう、仕事…出来ないの…？


櫻井)そうだよな…苦しいよな…、、


神谷)ごめん…、、


A)でも、仕方ないのかな…。私、結婚したら声優続けられるのかなって…不安だったから、それが当たっただけ…。って考えれば自然だよね…。


櫻井)結婚しても、声優を続けてる人間はいるだろ。だから続けられるんだ。鈴さんだって、辞めさせる気はないと思う。


A)………。


神谷)…誰なんだよ…あんなこと書いたやつ……。良平くんはなんにもしてないって…


櫻井)じゃあ……。


A)…もう、隠しておけない…。


櫻井)A……？


A)わ、私……。私はっ……。


神谷)…？


A)……お二人と出会う前は、色々やらかしていたんです。声優に今更なれる訳ないって勝手に拗ねて問題起こして……借金して……何もかもが嫌になりました…。


櫻井)A……。


A)だから、孝宏さんが付き合って欲しいって言ってくれた時、泣いちゃうくらい嬉しかったんです…！こんな自分でも、必要としてくれる人がいるんだって…でも、もう…お別れですかね…。


櫻井)そんなこと言ってない。俺は死ぬまで離さないからな。


A)え…。


神谷)A、孝宏がそれくらいで離れると思ったのか？


A)本性を知れば皆離れて行きます…。


櫻井)俺はそんなクズな男じゃない！！！お前が好きだから今一緒にいるんだよ…


神谷)俺も君の優しい心に惚れたんだ。そう簡単に嫌いになんかなれない。

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