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「はるー、ちょっと外出てくるね?」
お風呂にも入って後は寝るだけのこの時間。
玄関のドアの前に立って、靴を履いてからはるの方へ振り返りながらそういうと、まって〜って駆け寄ってくる。
「ほら、ケータイちゃんと持ってって!」
「あちゃ〜、また忘れてた」
「ほい、じゃあ遅くならないようにね」
「うん、気をつけるね」
お風呂から上がってからどうしても1人になりたくなって、休憩中にトイレに行った時に見つけた良さげな中庭に行くことに。
「ふぅ〜」
案の定、人は誰もいなくてベンチに腰掛けて大きく深呼吸をした。
お風呂で温まって火照った体に涼しい夜風が心地よい。
自然の音に包まれた静かな空間にいれば、何にも考えなくて済むから居心地がいい。
目を瞑ったら気持ちが良くて眠ってしまいそうだ。
「あー、いたいた」
ここなら誰もこないと思ってたのに
ざわざわと声が近づいてくる。
「ちょっといい?
・
山下さん」
「…桜子ちゃん?」
そこにいたのは、桜子ちゃんを含めた3人の女の子。
たぶん他の2人は、今日トイレで私の悪口を言っていた子たち。
「…何ですか?」
「あのさ、ストレートに聞くけどみっくんのこと好きなの?」
「…」
「黙ってないで何か言いなさいよ!」
「…好きじゃない…です」
“好きじゃない”
いざ口にしてみると、
なぜだか喉の奥がギュッとする。
「…じゃあみっくんに近づかないでよ!」
「…」
「邪魔なの…!」
「…」
「ねぇ!聞いてるの!?」
・
「…大丈夫ですよ」
「何が大丈夫なのよ!?」
「…もう北山くんには近づきません
本人にもそう伝えましたから
だから…大丈夫です」
混乱してる頭とは裏腹に
淡々と言葉が出てくるから
自分の冷静さに自分でびっくりする。
そんな私の平然さは、彼女たちをさらにイラつかせていくのだろうけどこうでもしてないとコントロールできなくなっちゃいそう。
去っていく怒りが見えている後ろ姿を見ながら、一気に気が抜けてしゃがみこんだ。
苦しい
胸が痛い
喉の奥がぎゅーってする
どうしちゃったんだろう、私
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ぽん(プロフ) - りえさん» まだ44話以降を公開していないです…!ごめんなさい(;_;) (2019年2月10日 8時) (レス) id: 9bf54bbd8d (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - 44話以降通知が来ても更新されていないのですが私だけでしょうか(>_<)? (2019年2月10日 7時) (レス) id: 38bd84ff18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽん | 作成日時:2019年1月8日 0時