君のとなり

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#北山くんside





「もうみっくん！！なんで急に千賀くんと変わるの〜！！」





「ごめん〜」








桜子が俺の腕にまとわりつくようにくっついてきては、むくれた顔を俺に向ける。




そう、俺が直前に千賀に電話をかけて変わってほしいとお願いをした。



そしたら意外にも快く受け入れてくれて
“なんかあるっぽい感じだったよね、いいよ”
そう言って、爽やかに笑った。



千賀のおかげでAとペア組めたことへの喜びで、急に千賀と組むことになってしまった桜子への対応を忘れてしまっていた。









「ごめんな、桜子」









俺の言葉に目を少し潤ませる。



コテージへと帰り始めた人波の中、時が止まったかのようにじっと俺を見つめる。









「…また山下さんと？」






「そーだよ、」









・









・









「…どうした？」









甘いシャンプーの香りとともに

ふわりと桜子に包まれる









「…私のことちゃんと見てよ」









「・・・」









「ねぇ、みっくん…」









誰もいなくなった静寂の中で、セミの鳴き声と、桜子の泣き声だけが2人を包む。









「…ごめん」









こんな時なのに






俺はあいつの笑った顔ばかり思い出すんだよ






あいつが幸せならそれでいい





あいつの幸せのためなら俺は身を引くよ






そのためなら俺のこの邪魔な気持ちなんて





隠してしまうから。






…玉が好きなんだろ？

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