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「花火終わっちゃったね」
あんなに楽しみにしていた花火は、始まってしまえばあっけなく一瞬で終わってしまった。
…本当は花火が楽しみというよりも、宏光くんと見る花火を楽しみにしてたのに。
まさか一緒に見れないなんておもってなかったな。
そんなこと考えてると“戻ろっか”という玉森くんの声がして、それに頷いて鳥居へ向かった。
「ごめん遅くなった」
鳥居へ戻った途端に前から宏光くんの声が聞こえてきて、声のする方へ2人して目を向けた。
“見ちゃだめ”
そう思ってすぐに玉森くんの方へ振り返えったものの、時すでに遅し。
玉森くんは、宏光くんとギュッと手を繋いで、ぴったりとくっついているはるの姿をしっかりと見つめていた。
「はるごめん俺…」
「…大丈夫だから!もう気にしないで」
少し距離を感じてしまうはるの言い方に、顔を一瞬ひきつらせるともう一度小さくごめんと呟いた。
みたくないよ、こんなの。
どうしても耐えられなくて、早く帰ろうと私をまっすぐ見つめている宏光くんに話しかけた。
「…宏光くん、もう帰ろうよ」
でも、この発言がもっと空気を悪くするなんて思いもしてなかった。
「帰ろう」
「そうだな。よし、かえろ「まって」
「…え?」
宏光くんの言葉にかぶせるようにはるが話し出した。
「この2・2で帰ろうよ。私と宏光くんは駅に向かう訳だし、それに裕太くんの帰り道にAの家あるし、誰も遠回りすることもなくなるよ?」
“ね?”と、宏光くんの顔を覗き込んだ。
なんか違う。
「いや、でも俺Aと「いいじゃん。それで帰ろうよ。ね?宏光くん」
どうしても下唇を噛んで、悲しそうな顔をする玉森くんを見ていられなかった。
それに、明らかに雰囲気が変わった2人のことなんてもっと見ていたくなかった。
“ばいばい”と2人に挨拶してから、俯く玉森くんの手をとって歩き出した。
『A!』
後ろから宏光くんに呼ばれるけど
振り返ることなんてできないよ。
宏光くんの顔なんて見れない。
・
「…ありがとうAちゃん」
「ううん
私なんかで…
はるじゃなくてごめん…」
・
・
こんなに嫌な思いするなら
お祭りなんて来なきゃよかった。
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ぽん(プロフ) - りえさん» まだ44話以降を公開していないです…!ごめんなさい(;_;) (2019年2月10日 8時) (レス) id: 9bf54bbd8d (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - 44話以降通知が来ても更新されていないのですが私だけでしょうか(>_<)? (2019年2月10日 7時) (レス) id: 38bd84ff18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽん | 作成日時:2019年1月8日 0時