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「宏光くんたち遅いね」




花火を見上げながら、ポツリと呟いた。





「ねえ、ちょっとこっち行ってみよ」





可愛らしくふわっと微笑むと、その瞬間にギュッと手を繋がれて、鳥居の近くにある少し高台になっているところへ登った。





「こっちの方がよく見える」



「…ほんとだ」






2人で手を繋いだまま、無言で花火を見上げる。



この時間はなんだかくすぐったくて、不思議と居心地がいいものだった。

























「…Aちゃんて失恋したことある?」






無言を破ったのは玉森くんで、投げかけられた言葉にビックリして横を見上げると“んは、急すぎだよね、ごめん”ってクスリと笑った。






「じゃあさ、はるの一目惚れした人知ってる?」




「あ、入学式の時の?」




「そうそう、知ってる?」




「…そういえば人は教えてもらってないかも」




「やっぱり」




“ん〜”っと、自分の頭をくしゃくしゃっとかくと、パッと私の方を見た。




「Aちゃんはみつのことすき?」




「えっ…あー、考えたことなかったけど…。


友達としては好きだよ」




“そっか”と、一瞬下を向いて切なげに花火を見上げた。






「はるの一目惚れした相手さ」



























「みつなんだよね」









ぽそっと呟くと、私を見て泣きそうな顔で微笑んだ。







「だからさ、今もきっと一緒に花火見てんだろうなって」






遠くを見つめる瞳は



ゆらゆらと切なげに揺れていて



玉森くんのはるを思う気持ちを目の当たりにしてしまった私の胸はギュッと苦しくなった。







「…なんでAちゃんが泣くの 」






んふふってゆるく笑って、ごしごしって私の涙を拭うとギュッと繋がれている手の力が強まった。






「…届かないってこんなに悲しんだね」








そんなに悲しく笑わないでよ。






せっかく諦めようとしてたのに





そんな姿見ちゃったら諦められないよ。

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ぽん(プロフ) - りえさん» まだ44話以降を公開していないです…!ごめんなさい(;_;) (2019年2月10日 8時) (レス) id: 9bf54bbd8d (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - 44話以降通知が来ても更新されていないのですが私だけでしょうか(>_<)? (2019年2月10日 7時) (レス) id: 38bd84ff18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽん | 作成日時:2019年1月8日 0時

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