君のとなり

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2人と別れてからまた宏光くんと歩き出したんだけど、2人が手を繋いでいたあの光景が思い出されて胸がぎゅーっと苦しくなる。









「おーいAちゃん？ 大丈夫？」




「え、あ、ごめん！」








心配そうな顔をする宏光くんに、“大丈夫”って笑顔を向けると、心なしか繋がれた手が少しギュってなって





「よーし、ついてこい！Aちゃん！」




って、どこかへ向かって歩き出した。









「じゃーーん！」




「…射的？」







宏光くんが連れてきてくれた場所は、射的屋さんで、よくわからずに宏光くんを見上げる。







「なんで射的屋さん？」


「あそこ見てみ？」






指差す方向に目を向けてから、宏光くんをみると、にぃーって笑って“さっき見つけたんだ”ってそう言った。







「私が好きなくまさん…！！」



「俺がとってあげる」



「とれるの？」



「俺を誰だと思ってんの？」





ドヤドヤっと腕の筋肉をむきっとしてパンパンって叩いた。

その姿が面白くてクスリと笑うと、“まあまあ、みとけ”って余裕な笑みを浮かべた。









「…すごい！！！」


「どうだ！すごいだろ！」



見事、有言実行を果たした宏光くんからくまさんのぬいぐるみを貰った。



「ちょちょいのちょいよ〜」



ってドヤ顔混じりの笑顔の彼。




「…ありがとう、宏光くん」




“大事にしよろ？”なんて言いながら、優しい笑顔で私の頭をくしゃっと撫でた。



射的をする宏光くんはすごくかっこよくて、浴衣の腕の部分を捲り上げて、筋肉質な腕が見えている姿が絵になりすぎてて思わずケータイで写真を撮っちゃったけど、これは宏光くんには内緒。

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